邦題 | シャーキュラ 吸血鮫 |
原題 | Sharkula |
公開年 | 2022年 |
監督 | マーク・ポロニア |
出演 | ジェフ・カーケンドール / カイル・ラパポート / ジェームズ・ケリー |
制作国 | アメリカ |
ランク | Z級(もはや映画ではない何か。サメ映画の沼であり闇。見ればZだと分かる。) |
ストーリー | ★☆☆☆☆ |
演出や絵作り | ★☆☆☆☆ |
サメの造形 | ☆☆☆☆☆ |
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あらすじ
今から遡ること数百年前。人間によって海へと追いやられたドラキュラはサメと契約を結び、忠誠と引き換えにサメの庇護を受けることに。
時は流れ現代。アーサーとジョンの二人組は、条件の良い夏季限定の仕事に応募し、海辺の町アーカムを訪れる。
しかし、雇い主のコンスタンティンは姿を見せず、不気味な雰囲気の使用人ランフィールドからは夜間の外出や住民との交流を禁止される。
街全体に異様な雰囲気が漂う中、アーサー達は夜間に行われる怪しげな儀式と、眼が邪悪に光る巨大なサメを目撃する・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
ドラキュラとサメをごった煮にしたクソ映画
SF映画やホラー映画で有名キャラクターをクロスオーバーさせる際は、キャラクター同士の特性などを上手に使い、自然な流れで彼らを関わらせることが重要になります。
エイリアンとプレデターの夢の競演を実現させるために作られた、「プレデターの成人の儀式みたいなものの獲物としてエイリアンが使われており、プレデターを神と崇める地球の古代人が宿主として利用されていた」という設定はその好事例です。
しかし、本作は迷監督でお馴染みのマーク・ポロニアの作品。そんな芸当ができるはずもありません。
物語をざっくりと説明すれば、出稼ぎにやってきた男二人が訪れた町はドラキュラに支配されており、そのドラキュラはサメとの契約を守るため、夜な夜なサメ×コウモリ的な怪物(シャーキュラ)に生贄を捧げているという話です。
「サメと契約」という意味不明な部分を無理やり飲み込めば一応一つの筋で繋がった物語があるものの、ストーリーの中で登場するほぼすべての要素が中途半端で、「とりあえず吸血鬼の物語にありそうな要素を全部ぶち込んでサメと一緒に混ぜました」と言わんばかりの酷い代物と化しています。
例えば、地下室に監禁されている女性がシャーキュラの生贄にされた後、桟橋を歩いている酔っ払いが普通にシャーキュラに襲われます(生贄に関係なく自分でも食べるの?)。
さらに、次に攫われた女性も同じく生贄にされるのかと思いきや、何故か彼女は吸血鬼にされます(生贄にしなくていいの?そして吸血鬼になったのに何で監禁を継続するの?)。
物語の発端であるアーサーとジョンの積み荷を仕分ける仕事も、ドラキュラの計画の一部であるかのように話が進んでいたのに、肝心の仕事をするシーンが全然映されず。
最終的には「サメに奉仕するのはウンザリだからお前がサメを殺すのだ」とか命令し始めます(積み荷の仕事は全然関係ないじゃん。あと、ゾンビみたいな部下とか他の吸血鬼にやらせればいいのに何故アーサーを選んだ?)。
他にも、意味ありげに冒頭からずっと定期的に挿入されていたファイヤーダンス的な映像が本編と関連性がなかったり(恐らく雰囲気を出すための素材映像)、生贄になった女性のものと思しき下着でランフィールドが発情するマジで誰得なのか分からないシーンがあるなど、ツッコミどころを挙げていけばキリがありません。
ここまで酷いもの頑張って視聴した先に待っているのは、数回刺されて火をつけられるだけであっけなく絶命するシャーキュラと、何年も支配してきたはずの女性ミーナが持つショボい十字架で葬り去られるドラキュラ・・・。
本作の視聴のために寿命を70分無駄にするなら、いっそヴァンパイアに血を吸われた方がマシだったかもしれません。
「空も飛べるはず」とか言いつつサメはほぼ飛ばない
本作に登場するサメ(?)はコウモリとのハイブリッド的な姿をしており、日本語版DVDジャケットには「空も飛べるはず」というフレーズが添えられています(スピッツファンの人は怒っていただいて大丈夫です)。
映画のクオリティはともかく、コウモリと合体したならサメが空を飛んでくれることを期待してしまいますが、残念ながらシャーキュラはほとんど飛びません。
一応シャーキュラが水中から飛び出してきたり、コウモリ(という設定だが完全にぬいぐるみ)に変身したドラキュラが月夜を背景に飛んだりする場面はあるものの、基本的にシャーキュラは水辺にいる人を襲うだけ。泳ぐのに邪魔そうな大きな翼が活かされるシーンは皆無に等しいです。
飛行能力を付与することによって「海にいるサメに陸の人間をどう襲わせるか」というサメ映画のジレンマをお手軽に解決したにもかかわらず、それを活かさずにドラキュラばかりに焦点を当てるとは、一体何がしたいんでしょうか。
「ゴミできらめく世界」ならぬ「ゴミでしかない作品」であり、本作を観た方が「幼い微熱を下げられない」よりも重い症状を発症しないことを願うばかりです。
吸血鬼の話なのにほとんど昼間に撮影
上記のようなトンデモかつグダグダの物語が、これでもかと言うほど手抜きな映像で作られており、ヴァンパイア以上に救いようがありません。
吸血鬼がメインの作品にも関わらず、本作の撮影はほとんど朝か昼間に行われており、夜の映像はほとんどありません。登場人物だけでなく製作陣も夜間外出を禁じられていたのでしょうか?
一応映像の明るさを落としたり月を無理やり合成することで「これは夜です」という体裁を保とうとしていますが、もちろんそんなことで夜に見えるはずもありません。
日光が照り付ける屋外をドラキュラが平然と歩くシーンや、窓から明るい光が差し込む”晩餐会”などの場面が繰り返され、ダークファンタジー的な雰囲気をことごとく粉砕していきます(ついでに言えば、シャーキュラも真昼間に泳いだり飛んだりします)。
さらに、素材集と思しき映像以外のほぼ全てにモーションブラーのような効果がかけられており、人が動くたびにボヤけて見えるので違和感が凄いです。というより目が疲れます。
他にも、舞台が港の近くという設定のはずなのに海が見えない場所で撮影していたり、運転中にエンジントラブルで停車した設定の車が住宅街の芝生の上に置いてあったり、手抜きを隠そうともしていない映像が満載です。
途中で何度も挿入されたファイヤーダンスを70分見た方がまだ有意義だったかも・・・。
その他見どころや豆知識
- 本作の舞台となる街アーカムの由来は、『バットマン』シリーズに登場する精神病院アーカム・アサイラムが由来と思われます。
- 何年もドラキュラに仕えてきたのに、アーサーに一発殴られるだけで全てを白状するランフィールド。
- 実は本作が製作されるよりも前に、同名のZ級サメ映画がドイツで作られています。詳しくは以下参照。
サメに関する解説
サメの造形
もはやサメではない何かでした。そして、小学生の自由工作の方がマシに思える酷い仕上がりでした。
日本版DVDジャケットに描かれている生物が出てくるのならまだ良かったのですが、あの生き物を数段ショボくしたオモチャが登場します。
また、サメが人に噛みつく映像では、『ランドシャーク/丘ジョーズの逆襲』などで使われたサメのオモチャが採用されていました。
サメの行動
もう特に言うことはありません。チスイコウモリと合体したなら、せめて血を吸って欲しかったです。
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