邦題 | シャーク・ハンター |
原題 | Shark Hunter |
公開年 | 2001年 |
監督 | マット・コッド |
出演 | アントニオ・サバト・Jr / グランド・L・ブッシュ / ヘザー・マリー・マースデン |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。) |
ストーリー | ★★★☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ★★★☆☆ |
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あらすじ
両親と共にヨットで静かな夜を過ごしていた少年スペンサーは、謎の巨大生物に襲われる。
スペンサーは流れてきた浮き輪につかまって生き残ることができたが、両親は帰らぬ人になってしまった。
それから20年後、潜水艦の専門家として教鞭を執っていたスペンサーは、友人ウィリアムから「海底基地が原因不明の事故により破壊され、作業員などが全員死亡した」と告げられる。
スペンサーは調査チームに加わり、自らが設計した潜水艦アルゴスに乗って現地に向かう。
そこで彼が目撃したのは、破壊された基地に突き刺さる巨大なサメの歯だった・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
最初のメガロドン映画
今ではサメ映画界でもお馴染みになった太古の巨大ザメ・メガロドンを敵役にした作品で、僕が知る限り最古のメガロドン映画です。
『ディープ・ブルー』などの一部例外を除いてほとんどが『ジョーズ』のパクリでしかなかった当時のサメ映画情勢を考えると、斬新な作品だったと思います。
海底基地の壊滅に始まり、潜水艦と小型艇を駆使してサメと闘うなど、「メガロドンならでは」というスケールの大きい展開を楽しめるのが本作の魅力でしょう。
潜水艇が戻って来たかと思ったら巨大なサメの頭が飛び出してきたり、メガロドンへの攻撃用に使っていた銛を駆使してピンチに陥った潜水艇を回収するなど、潜水艦という舞台設定を活かしたシーンも見所です。
しかも本作のサメは銛や麻酔弾を撃ち込まれても怯まない、魚雷も避けてしまうという、かなりの強敵として描かれています。
その巨体とパワーで人間たちを圧倒して都合のいい展開を許さない様はまさに海の怪物であり、メガロドンを敵役に置きつつ結局はハゲの最強っぷりを見せつけてくる某シリーズでは味わえない緊迫感があります。
また、「幼い頃に両親を巨大ザメに殺された主人公による復讐劇」という人間ドラマを用意したうえで話を進め、最終的には主人公の自爆特攻によりサメと相打ちになるという展開は陰鬱なものの、「予想を裏切る」という点で評価ポイントと言えるでしょう。
人間模様パートと映像面に難点あり
海洋パニック・アドベンチャー作品としてストーリーや世界観がまとまっている良作ではあるものの、いささか粗い部分も見受けられます。
まず、人間模様を描くシーンが全体的にどれも間延びしていてテンポが悪いです。
冒頭でスペンサー達の船が沈む前に流れるホームビデオ的な映像がその最たる例でしょう。サメの「サ」の字も出ないうちに何の意味があるかも分からない(そして案の定意味がない)一家の無言映像を3分以上も流されるので、早送りしたい衝動を抑えるのが大変でした。
メガロドンの仕業だと信じるスペンサーと半信半疑の調査メンバーの会話や、メガロドン抹殺を主張するスペンサー達と研究の選択肢を捨てたくないシェリルの口論についても、同じような内容が繰り返されている印象を受けました。
サメと闘うシーンの質が良い分「いいからサメを出してくれ」という気持ちになります。
また、潜水艦および小型潜水艇内の再現が良質にも関わらず、CG映像はのっぺりしていて安っぽいのもタマにキズです。
こうした技術力不足を隠すためなのか、メガロドン登場シーンが全体的に暗く、サメの全体像が分かりにくくなっています。
映像面で一番問題なのが海底基地のシーンで、どう見ても水中ではない場所で撮影しています。
撮影した映像に埃を漂わせることで「これは海の中です」という設定を守ろうとしていますが、水中での溶接作業中に泡が全く出ていなかったり、水中で揺れ動きそうな物体が完全に静止しているせいで何も誤魔化せていません。
浮き輪で浮かぶ少年スペンサーを撮影する映像も視点が固定されていたり、サメ映画にも関わらず水関連の映像で手を抜いていた節があります。
昨今のアサイラム作品に比べればだいぶマシですが、あくまで低予算の映画だという前提のもと、温かい目で見守る必要のある作品と言えるでしょう。
その他見どころや豆知識
- メガロドンの略称「メグ」が日本で広く知れ渡ったのは『MEG ザ・モンスター』の公開以降だと思いますが、本作ではすでに「メグ」という呼称が使われています。
- メガロドンを目にしたハリントンが「we’re gonna need a bigger sub(この潜水艦じゃ小さすぎる)」という『ジョーズ』をオマージュしたセリフをつぶやきます。
- 「メガロドンは絶滅した!」→「シーラカンスだって生き残っていた!」→「シーラカンスとバカでかいサメを一緒にするな!」という今日もたまに行われる議論が見られるのは味わい深いです。
サメに関する解説
サメの造形
本作のメガロドンはホホジロザメをベースにしつつ、どこかウバザメをモデルに描かれたような独特の顔つきをしていました。
メガロドンは歯と脊椎の化石した発見されていないため、今日(2024年6月23日)においてもどのような姿だったのかハッキリとは分かってません。
かつてホホジロザメの祖先だったとする説があったため、現在もホホジロザメをモデルにした復元イメージが多いものの、現在は「メガロドンはすでに絶滅したサメのグループの仲間で、ホホジロザメの祖先ではなかった」とする説が有力です。
本作のサメが実際のメガロドンにどれだけ似ているのか評価するのは不可能ですが、ただホホジロザメを大きくしただけのサメではなく個性を持たせた点は、一定の評価に値するかもしれません。
サメの行動
サメの行動というより、メガロドンの知識についていくつか指摘したい部分があります。
まず、どの登場人物も「メガロドンは4000千万年前(40 million years ago)に絶滅した」と繰り返し発言していますが、メガロドンはもっと後の時代のサメです。
諸説あるものの、メガロドンは約2000万年前頃に誕生し、360万年前頃まで生きていたとされています。
ちなみに、スペンサーはメガロドンとシーラカンスが同時代の生物のように発言していましたが、シーラカンス類の大部分は白亜紀末のK-T大絶滅(つまりメガロドンが現れるだいぶ前)に滅んでいます。
また、シェリルがメガロドンについて解説する際、近縁種としてホホジロザメ、アオザメ、イタチザメの3種を挙げていましたが、イタチザメは近縁とは言えません。
ホホジロザメ、アオザメ、メガロドンはネズミザメ目のグループですが、イタチザメはメジロザメ目であり、分類が大きく離れています。
付け加えると、「近縁種の特徴をもとに説明する」と言っているのに、シェリルが側線やロレンチーに器官を説明する際スクリーンに映っているサメがヨゴレ(メジロザメ目)でした。
その他サメの解説
スペンサーが基地で採集したメガロドンの歯について「化石ではない!」とスペンサーが話していましたが、僕には化石かそのレプリカに見えます。
本物のサメの歯は新鮮であれば白か半透明です。
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