おはヨシキリザメ!サメ社会学者Rickyです!
先日、学術的な魚の標本写真をどうやって撮影するのか教わるイベントに参加しました!
魚やサメの標本を作ってみたい!
と思っている人は魚好き、サメ好きの中には少なからずいますが、その作り方を教わる機会はほとんどありませんよね?
イベントでは、数々の魚類標本を作ってきた海洋系の大学に通う学生の方に、標本の準備や写真撮影のレクチャーをしてもらいました。
本来は計測や実際に液浸標本に入れる工程もあるのですが、今回は撮影までを実施したので、その内容や様子を簡単にシェアしていきます。
まずは魚を洗って表面のゴミなどを取り除きます。
ゴシゴシこすったり強い水流を当てると魚が傷つくこともあるので、丁寧に扱うことがポイントです。
特に、ヒレなどもろい部分は優しく扱いましょう。
学術的な写真やスケッチをする際、魚は原則左側に頭を向けて配置します。
魚は真四角ではないので「真っすぐ」と言われても難しいかもしれませんが、側線と呼ばれる感覚器官の穴が並んだ線などを目印にして、できるだけ真っすぐにします。
また、多くの場合は頭や尾ビレが寝てしまうので、太めの針で柱を作ったり、下に何か置いたりして支えてあげます。
魚のヒレは閉じていることも多いので、観察しながらヒレを探し、全てのヒレを開きます。
破いたりしないよう慎重にヒレを開いたら、そのヒレの膜の部分に針を刺して開いた状態を維持させます。
この時、鰭条というヒレの骨組みのような部分のすぐ後ろに針を刺すとヒレが過度に傷つかないそうです。
真っすぐな状態でヒレを全て開くことに成功したら、ヒレにエタノールをかけていきます。
エタノールをかけて5~10分ほどすると固まるので、針を抜いてもその状態を維持してくれます。
この時、ヒレ以外の場所にエタノールをかけすぎると変色するので要注意です。
先ほどの写真でも標本っぽいですが、水に沈めた状態で撮影した方が色味などが本来の状態に近づくのでより良い写真が撮れるそうです。
魚が浮いてこないように空気を抜き、水槽内のゴミなどを取り除いたら、ライトを調整しつつ真上から写真を撮影します。
この時、白バックと黒バック両方を撮っておきましょう。
以上が、魚の標本写真を綺麗に撮る方法です。
これ以外の注意事項も沢山教わりましたが、それはイベント参加者の特権ということにしておきます。
標本の作製方法は専門家によっても順番やこだわりが異なるようですが、以上のことを意識するだけでも綺麗な写真や液浸標本に仕上げることができると思います。
ちなみに、イベントではこんな魚も撮影しました。
世界最小とされるサメ、ツラナガコビトザメです!
気泡が入った状態の黒背景で撮影したところ、マリンスノーが降り注ぐ深海を泳いでいるみたいな写真になりました(本来の標本写真としては失敗なので、良い子は気泡を取り除きましょう)。
こうして見てみると、なんとなく準備なしで撮影するよりも全体の特徴が分かりますし、水中で撮ると変な反射もないため綺麗な写真が撮れますね。
大きなサメでは水槽撮影が難しいかもしれませんが、これくらい小さなサメならぜひ他の種でも撮ってみたいです。
ちなみに、撮影に使用したのはカメラとレンズは以下の通りです。このサイトに載せている写真やYouTubeの動画撮影もこちらで行っています。
スマホでもそれなりに撮影できるようですが、黒バックは一番の方がキレイに撮れると思います。また、マクロレンズの方がウロコなどもハッキリ見える写真が撮れるのでお勧めです。
この記事が、標本作りをしてみたい初心者の方や、お子さんの自由研究のテーマで悩んでいる親御さんたちに少しでも役立てば幸いです。
イベント主催者であるシャークジャーナリスト沼口麻子さんの著書はコチラ!
コメント