CGや細かい演出にチープさは感じるものの、アサイラムにしては真面目に作っていて、それなりに楽しめます。
邦題 | シャークストーム |
原題 | Swim |
公開年 | 2021年 |
監督 | ジャレッド・コーン |
出演 | ジョーイ・ローレンス / ジェニファー・フィールド / アンディ・ラウアー |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品) |
ストーリー | ★★★☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ★★☆☆☆ |
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あらすじ
レイシー・サムソンとその家族は、1か月の休暇を家族と過ごすため海沿いのバケーションレンタルを訪れていた。
しかし、息子のタッカーと共に海で泳いでいた恋人のベッキーがサメに噛まれてしまう。
病院に連れ行こうとするレイシー達だったが、猛烈な嵐によって家に閉じ込められ、さらに浸水した地下室を通じてサメが侵入してしまう。
上昇する水位と襲い来るサメに追い詰められながら、レイシー達は決死の脱出を試みるが・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
アサイラムにしては高クオリティ
本作『シャークストーム』は数々のB級サメ映画を世に送り出してきた悪名高いアサイラムの作品ですが、それにしては高クオリティです。
サメに喰われる人の演技が一部下手くそに見えたり、サメや流血のCGがチープに見える部分はあるものの、『シャークネード』シリーズに比べるとだいぶマシな仕上がりです。
少なくとも、雨が安っぽいCGではなく本物の水で再現されており、「嵐が来ている」という設定なのに雨を降らせなかった『シャークネード』より本格的になっています。
また、冒頭で「ブレーカーボックスを屋根につけるのはダメだ」と注意される場面がラストに活かされたり、懐中電灯を手にしてちぎられた腕を発見する場面など、プロットや演出面で「おお!」と思わせるシーンも見受けられました。
もっとも、登場人物が全体的に嵐を舐めすぎていたり、おじいちゃんが喰われる場面がシュールだったりとツッコミどころは多いのですが、『シャークネード』や『メガシャーク』シリーズなどのバカバカしさを知ったうえで見るとかなりシリアスで楽しめる作品です。
逆に言えば、サメ映画初心者からすればややチープすぎる、「ぶっ飛んだサメ映画が観たい!」という方には物足りないという、どっちつかずの作品と言えるでしょう。
本作の少し前に製作されたアサイラムの作品『ホワイトシャーク 海底の白い死神』もシリアス路線だったので、アサイラムなりに方向転換を試みているのかもしれません。
サメ版『クロール』?
「嵐で家に閉じ込められた家族が人喰い生物に襲われる」という展開は、本格ワニ映画である『クロール 凶暴領域』を彷彿とさせます。
実際、息子が水泳能力に関するエピソードが突然挟み込まれたり、屋根(正確には屋根の近くにあるボート)で救助される場面でエンディングを迎えるなど、『クロール 凶暴領域』を意識したと思しき場面がいくつかあります。
脚本も演出も『クロール 凶暴領域』の域には達していませんが、そこはアサイラム・クオリティということで大目に見てあげましょう。
その他見どころや豆知識
- 高校生二人の母親にしてはレイシーが可愛いというか、色気あり過ぎな気がします(女優の実年齢は撮影当時40代前半)。
- 祖父ノアが釣竿を片手にレイシーと話す場面がありますが、雷がゴロゴロなっているときに釣竿を立てて持つのは非常に危険です。良い子は絶対に真似しないように。
- 打ちあがった死体を見ただけでサメの仕業と判断するシャーロットが有能すぎる。
- 地下室が水没してサメがドアを叩いているのにドアが破られるまで上階に移動しない一同。何やってるんだ。
- 家族を助けるためとはいえ、嵐の海にサーフボードで乗り出す男二人。本作の登場人物は総じて嵐を舐めています。
- 救命ボートまでタッカーが泳ぎに行くシーンがすごくドラマチックに描かれていますが、伏線不足で無責任な両親にしか見えません。息子を危険にさらすんじゃない。
- ラストの対決で父親がサメに対して「Son of a bitch!」と吐き捨てる『ジョーズ』オマージュ。
サメに関する解説
サメの造形
本作では一度もサメの種には言及されず「the shark」などと終始呼ばれていますが、その姿は明らかにオオメジロザメを意識して作られています。
何故か頭頂部が少し凹んだような多少不格好な姿ではありましたが、短い吻、小さな目、三角形の大きな第一背ビレなどの特徴がよく描かれており、第二背ビレや腹ビレの大きさも本物に近いと感じました。
B級サメ映画ではホホジロザメなのかメジロザメなのかよく分からない、かなり雑に描かれたサメが登場することも多いですが、今回のサメビジュアルは高評価に値します。
なお、サメ映画には「淡水でサメを出すならオオメジロザメ(むしろ、オオメジロザメならどんな川や湖に出してもOK)」という習慣がありますが、本作のサメは終始海を泳ぎ続けるのでオオメジロザメが採用された理由は不明です。
オオメジロザメがホホジロザメやイタチザメに比べて小型なことや、ホホジロザメよりは狭い環境への適応能力が高いことを考慮して設定に合うサメを選定したとしたら、なかなかよく考えられているなと思います(ただ単にホホジロザメではありきたりだと考えただけかもしれませんが)。
サメの行動
「閉じ込められた系」のサメ映画ではありがちですが、今回のサメは体の大きさに対して異様なほど大食漢で、1日のうちに5人も食べていました(管理人のおじさん、修理屋さん、おじいちゃん、ベッキーの父親、救助隊員)。
他のサメ映画レビューでも繰り返し述べていますが、これはサメの本来の食事量を考えると明らかに食べ過ぎです。
ちなみに、サイクロンが過ぎ去った後のオーストラリアで路上に取り残されたオオメジロザメの死体が見つかったという事例が過去にあります。
「家に入ってきて執拗に人だけを襲い続ける」という設定は非現実的ですが、「嵐でオオメジロザメがやってくる」ということ自体は割と起こりえるのかもしれません。
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