邦題 | シャークネード5 ワールドタイフーン |
原題 | Sharknado 5: Global Swarming |
公開年 | 2017年 |
監督 | アンソニー・C・フェランテ |
出演 | アイアン・ジーリング/タラ・リード/キャシー・スケルボ |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。) |
ストーリー | ★★☆☆☆ |
演出や絵作り | ★★★☆☆ |
サメの造形 | ★★☆☆☆ |
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あらすじ
前作で放射線を放つサメ竜巻”ニュークリア・ネード”を消滅させたフィン・シェパードは、妻エイプリル、息子ギルと共に、ロンドンで行われるシャークネード対策会議に参加するようNATOから招待される。
しかし、秘密結社シャークネードシスターズを結成して調査活動をしていたノヴァから連絡が入り、フィンは急遽ストーンヘンジへ。
ノヴァと合流したフィンは、古代から人類がシャークネードと戦ってきたという歴史と、その戦いにおいて重要なカギを握るであろう秘宝「デュークワカのハーネス」を発見する。
二人は秘宝の回収に成功するが、直後に発生した巨大シャークネードがロンドンを直撃。ギルが竜巻の中に飲み込まれてしまう。
愛する我が子を救うべく、フィンとエイプリルはシャークネードを追い始めるが・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
オカルト・SF要素の強化で荒唐無稽さMAX
シリーズ史上最大級のスケールで、最大級に意味不明なのが本作『シャークネード5 ワールド・タイフーン』です。
本作以前にもサメロデオやサメの胎内で出産など意味不明なことは多々ありましたが、今回はストーリーの流れが迷走しているように思え、本当に僕も頭を抱えました。
過去四作目までは、少なくとも「竜巻で巻き上げられたサメが飛んでくる」や「原子力発電所を破壊したから放射能を獲得する」という、一応科学の装いをした説明が存在しました。
しかし、本作では「人類は古代からシャークネードと戦ってきた」という設定を皮切りに、ストーンヘンジに隠された秘宝によって場所や天候に関係なくシャークネードが発生する、シャークネードの中にある時空の渦(裂け目?)に飛び込むことで世界各国に瞬間移動するという、完全にオカルト・SF的な要素が乱発されます。
一応ノヴァがシャークネードが瞬間移動の渦(Teleport vortex)の防護壁になっているという説明をしてくれますが、「何故シャークネードの中にそんなワークホール的なものが存在するのか?」という点は教えてくれず、登場人物たちも疑問を持ちません。
要塞と化すオペラハウス、宙を舞うコルコバードのキリスト像、法王より授かりしレーザーを放つチェーンソー、無数のサメが集まって一つの集合生命体となる”シャークジラ”、グローバルシャークネードのエネルギーを吸収するエイプリルなどなど、連続するトンデモ展開にはたしかに勢いがあるものの、過去作に比べると本筋の流れについて説明や伏線が不足気味です。
過去作品(特に一作目と二作目)のストーリー自体は災害パニックアクションの王道的な流れを汲んでいたので、本作の暴走具合にはやや唖然とさせられました。
過去作品より重く悲しい最終章
もう一つ過去作との違いを挙げると、全体的に人間模様が中心で、中盤から終盤にかけてのテイストが陰鬱です。
サメを乗り回したりサメの胎内を脱出ポッド代わりにするようなトンデモシーンは控えめで、ギルの件でギクシャクするフィンとノヴァ、ノヴァと共にシャークネードと戦う”シスターズ”の活躍など、人間関係を描くシーンが過去作より多いです。
一応”シャークジラ”のような新展開はあるものの、それ以外は「ただサメが飛んでいるだけ」という感じがします(サメが飛ぶのを当たり前に感じさせるのがこのシリーズの怖いところです)。
また、過去作では登場人物の死亡シーンがある種のギャグとして成立するあっさりしたものだったのに対し、本作の後半ではフィンの家族や大切な仲間たちの死が悲痛なトーンでしっとりと描かれています。
今までのシリーズに共通していた「ヤバすぎる災害が来てるけど俺たちシェパードはサメをぶっ殺して絶対生き延びてやるぜ!」というポジティブなトーンは次第に失われ、「息子を本当に救えるのだろうか・・。家族や仲間が死んでいく・・。それでもやるしかない・・・」という重々しく悲しいテイストになっていきます。
本作は次回作『シャークネード ラストチェーンソー』との繋がりが強く、シリーズ最終章の前編のような役割があるため、今挙げたような人間模様中心のストーリーや急激なテイストの変化は、後の最終作へつなげるために必要な流れだったと僕は解釈しています。
ただサメが人を食べまくるだけの偏差値の低い映像を期待している人は面食らうと思いますが、無茶苦茶なシリーズなりに綺麗に終わらせようと努め、そのために大胆な方向転換に舵を切った制作陣を個人的に評価したいです。
金と手間をかけている感はある
ここまで割と否定的な評価をしてしまいましたが、制作陣なりにお金と手間をかけて取り組んだと思えるポイントもいくつか存在します。
本作のフィンたちはロンドン、シドニー、リオデジャネイロ、ローマ、新宿などを駆け巡るのですが、各シーンにおいて素材集ではなく本作のためだけに撮影したであろう街の映像が何度も映ります。
ちゃんと現地でロケをしたか、少なくとも本作用の映像を撮るために制作陣が動いたのでしょう。
また、全体的にカメラのカット割りも上質で、セットの作りこみも本格的になっています(個人的にはサメの口を模した遺跡の入り口が好きです)。
カーチェイスのシーンもアクション映画さながらのクオリティで、一作目に見られた「明かにこの車走ってないだろ」というチープさはありませんでした。
サメのCGが低クオリティなのは相変わらずですが、アサイラムなりに力を入れて作っていることが作品の随所で伺えます。
その他見どころや豆知識
- 冒頭からいきなり『インディー・ジョーンズ』シリーズのオマージュ。ハット、鞭、秘宝を取る代わりに重しを載せる流れはもはやパクリに近いです。
- ギルとエイプリルがMI6でメカを紹介されるシーンが完全に『007』オマージュ。音楽も似せてきています。また、首相が発動する防御システムの名前も『スカイフォール』です。
- 作中で重要な役割を果たす秘宝「デュークワカのハーネス」について、デュークワカはサメの神として紹介されていますが、この神自体はフィジーの神話に本当に登場します(日本語だとダクワカとも呼ばれます)。
- フィンの「Why does it always gotta be sharks?(なぜいつもサメなんだ?)」と「World War Shark(世界サメ対戦)」というセリフが秀逸。
- 空から猛スピードで飛んでくるサメを素手で弾き飛ばすフィンとジェム。それができるならチェーンソーとか銃いらないよね?
- ヒンデンブルクという飛行船の名前について「縁起が悪い」とフィンたちが話している場面がありますが、これは1937年に「ヒンデンブルク号」という飛行船が爆発事故を起こしたことに由来しています。
- オーストリア近海にて、珍しくサメは海の中を泳いでいます。ノヴァも「I forgot they come out from here(本来ここにいるって忘れてたわ)」と発言しており、視聴者の気持ちを代弁してくれています。
- 新宿のシャークジラに向かって投げられる爆弾がどう見てもモンスターボール。
- ラストの終わり方が完全に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。大人版ギルが言った「Where we’re going, you don’t need a license.(これから行くところに免許なんていらない)」というセリフも、エメット・ブラウンが一作目のラストで言った「Where we’re going, we don’t need roads.(これから行くところに道なんていらない)」のオマージュです。
- カメオ出演は多すぎるうえにドルフ・ラングレン以外は日本人になじみがないと思うので割愛します。一応触れておくと、国連事務総長のおばちゃん、雪山でスキーやスケートをしていた女性たち、オペラハウスでスケボーしていた男、リオでフィンたちを助けたプロレスラーっぽい男、ローマ法王、沖縄で襲われたどう見ても日本人ぽくないおばちゃん、モンスターボールを投げていたアジア系女性などなど・・・。全員米国では知名度のある芸能人やスポーツ選手です。
サメに関する解説
サメの造形
過去作とそこまで大きく変わりません。本作で初めて登場したサメもいなかったと思います。
強いて気になった点を挙げるなら、過去作でも雑に描かれたイタチザメです。
首相とキスした女性の上に降ってくるのですが、イタチザメにしては吻先が尖っているいるように見えます。
また、あれだけの巨体ならもっと模様が薄いはずです。
サメの行動
もう特に言うことはないです。
標本づくりのために採集に行きたいので、実際に新宿にサメが降ってきたら僕にご一報いただけると嬉しいです。
本作のシリーズ作品
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