邦題 | シャーケンシュタイン/フランケンジョーズ |
原題 | Sharkenstein |
公開年 | 2016年 |
監督 | マーク・ポロニア |
出演 | グレタ・ヴォルコヴァ/ケン・ヴァン・サント/タイタス・ヒムルバーガー |
制作国 | アメリカ |
ランク | Z級(もはや映画ではない何か。サメ映画の沼であり闇。見ればZだと分かる) |
ストーリー | ★☆☆☆☆ |
演出や絵作り | ☆☆☆☆☆ |
サメの造形 | ★☆☆☆☆ |
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あらすじ
マッジ、クープ、スキップの三人組は海でのバカンスを楽しむためにカッツマン・コーブを訪れるが、街では謎の失踪事件が相次いでいた。
ひょんなことから人気のない孤島に辿り着いた三人は、マッドサイエンティストのクラウスに捕らえられてしまう。
未だナチスに忠誠を誓うクラウスは、複数のサメを縫い合わせて作り上げた実験ザメに、フランケンシュタインの怪物から摘出された脳と心臓を移植して最強の生物兵器を作り出そうとしていた。
マッジたちを脅して実験に協力させるクラウスだったが、移植手術後の怪物”フランケンジョーズ”は暴走を始め・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
Z級映画と呼ぶにふさわしい
今やZ級サメ映画を代表する巨匠として大人気のマーク・ポロニアが監督したサメ映画です。
元々は『フランケンジョーズ』という邦題でしたが、一度日本での配給権が失効し、2022年7月に『シャーケンシュタイン』という、より原題に近い名前で帰ってきました。
今やB級映画界で完全にオモチャ扱いされてしまっているサメとナチスを組み合わせ、そこにフランケンシュタインまで登場させた本作は、まさにZ級と呼ぶにふさわしいクオリティでした。
とにかく、色々な部分が悪い意味ですごいです。
冒頭で潜水艦が浮上したり航行するシーンがあるのですが、NHKの子供向けの人形劇のようなクオリティで、最初から先が思いやられます。
その後、映画開始7分ほどで、クロマキー合成とストップモーションで動き回る非常にお粗末なサメが登場します。
この合成やサメのクオリティもまた酷い代物で、そもそもこれを「サメ」と呼んでいいのか疑問です。
サメの捕食シーンも赤い液体が流れる映像で出血を表現し、それを苦しむ人物とフランケンジョーズのアゴのドアップ映像に合成し、さらに魚のエサと思しきものが沈んでいく映像を被せて肉片を表現しています。
ここまでくると、もはや創意工夫を褒めたたえるべきなのでしょうか。
また、海の上に立っている博士の隠れ家が、どう見ても普通の一軒家の画像を切り抜いて海辺の映像に貼り付けているだけ。手すりやチェーンなどが不自然に途切れていたり、幼稚園児でも合成と分かる驚きの映像が使用されています。
こんな感じの映像で70分以上物語が進行するので、映画鑑賞ではなく、低俗なYouTube動画を観るような気分で視聴することを強くオススメします(もちろん、そもそも視聴しないという選択肢も尊重します)。
幸いにも物語は分かりやすい
以上の通り、絵作りはとにかくひどい本作『シャーケンシュタイン』ですが、Z級映画の中では物語を理解しやすいのが救いです。
主要な登場人物がマッジたち三人、クラウス、保安官に限定されており、それぞれが良くも悪くもキャラ立ちしているので、「コイツ誰だっけ?」のような状態になることなく物語を追うことができます。
ストーリーの流れについても、「あの移植手術に何か意味はあったのか?」と疑問に思う部分があったり、雷に打たれた途端にサメから手足が生えてくるなどツッコミどころは多いのですが、一応それなりの起承転結が存在します。
以上のことから、特徴のない登場人物が多すぎてよく分からなくなる『スノーシャーク 悪魔のフカヒレ』や、そもそも物語が全く成立していないクソ映画『エクソシスト・シャーク』に比べると、まだ視聴に耐えられるZ級映画だと思います。
逆に、本作を観て『サメ映画の神髄を見た!』と喜んでいるようでは甘いです。今後もZ級サメ映画の世界を探求したいという方は、これ以上に酷いものを覚悟する必要があります。
その他見どころや豆知識
- サイレンサーを付けている設定でもないのにショボ過ぎる銃声。ちなみに、仮にサイレンサーをつけていたとしても爆竹より大きい音が出ます。
- 海岸を歩こうと言っていたのに普通に森の中を歩き始める三人組。
- クラウスが手術に夢中になって隙だらけなのに素直に実験に協力する健気な三人組。
- 何故か船にぶつかった瞬間に船を爆発させるフランケンジョーズ。
- 雨がCGなので髪や服が全然濡れない。
- 友人が一人死んだのに一瞬で冷静さを取り戻すマッジたち。
- 牛飼いのおばちゃんの「サメの怪物が出た!」という話をすぐに信じて銃火器を手にサメ狩りに向かう住民たち。素直過ぎる。
- 元ポルノ女優のデブおばさんを襲ったかと思えばいきなり交尾を始めるフランケンジョーズ。一体誰得のシーンなんだ?
サメに関する解説
サメの造形
造形も合成も恐ろしいほどチープですが、縫い目だらけでネジが埋め込まれた様子は「フランケンシュタインっぽいな」と思わせる姿でした。
クラウスによれば、ホホジロザメ、ヨシキリザメ、シュモクザメ、アオザメをつなぎ合わせたサメ(シュモクザメのうちどの種かは不明)だそうですが、そもそもつなぎ合わせる意味が分からないし、何をどう組み合わせたらあの姿になるのか不明です。
顔は上記のサメ4種類のどれにも似ておらず、四角に近い頭や眼球前のくぼみ、円錐形の歯の形などを見るに、サメというよりティラノサウルスがモデルのように感じました。
また、フランケンジョーズは第二背鰭や臀鰭がかなり大きく、腹鰭と臀鰭の位置が非常に近いのですが、素材とされた種類の中にこれと近い特徴を持つサメはいません。
複数のサメを縫い合わせるというアイディア自体が荒唐無稽なのですが、「映画だから」でその点を納得するにしても、お粗末な造形だったと言えるでしょう。
サメの行動
『シン・ジョーズ 最強生物の誕生』でも触れたのですが、サメの骨格はほぼ軟骨でできているため、仮にヒレが手足のように変形したとしても体を陸上で支え切れないはずです。
また、元ポルノ女優のデブおばさんに襲い掛かって交尾していると思しきシーンがありますが、サメの交尾器は左右に向けることはできても人間のように頭の方向に一直線に向かないため、あの体勢で交尾するのは無理だと思います。
その他サメの解説
「ホホジロザメに天敵がいない」というセリフがありますが、シャチはホホジロザメを狩ることが知られています。詳しくは以下の記事もご参照ください。
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