安定のアサイラムクオリティですが、前作よりは面白いかも・・・。
邦題 | 鮫の惑星:海戦記(パシフィック・ウォー) |
原題 | Empire of the Sharks |
公開年 | 2017年 |
監督 | マーク・アトキンス |
出演 | アシュレイ・デ・ラング/ジャック・アームストロング/ジョン・サヴェージ |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。) |
ストーリー | ★★★☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ★★☆☆☆ |
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あらすじ
未曾有の大洪水によって陸地のほとんどが海に沈んでしまった世界にて、人々はイエン・フィエンという暴君によって支配されていた。
サメを操る装置を開発したフィエンたちは、希少な真水と引き換えに奴隷と貢物を要求し、歯向かう者にはサメ軍団を差し向けることで勢力を広げていた。
ある日、父を亡くした少女ウィローが住む集落にフィエンの手先が現れ、貢物の代わりとしてウィローを連れ去ってしまう。
同じ集落に住む青年ティモールは、ウィローを救うべく仲間を集め、フィエン達に戦いを挑むことを決意する。
一方で、危機に陥ったウィローは、彼女の中に眠るサメ使いとしての力を発揮し始める・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
前作より物語は分かりやすい
2016年に作られた『Planet of the Sharks 鮫の惑星』の続編っぽいタイトルで、世界観に似たものを感じますが、ストーリー上のつながりは特にありません。
さらに、前作は「サメの生体電気でロケットを飛ばす」や「ロケットの装置によって地球温暖化の影響を逆転させる」など荒唐無稽ながらも科学のテイストで物語を進行していたのに対し、本作ではサメを操る特殊能力者が肝になっており、オカルト色が強めになっています。
そんな本作は「機械でサメを操り人々を虐げる悪者集団」VS「本物のサメ使いの血を引く少女と彼女を救いたい青年」という、単純明快な軸に沿って物語が進行します。
「さらわれた女性を救うために荒くれ者をリクルートして敵の基地に乗り込む」という『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』のような展開なので、全体的にすっきりしていて分かりやすいです。
「ロケットを飛ばす話が火山でサメを倒す流れになり、そうかと思えば唐突に基地が水没の危機に陥って・・・」という安定しない展開だった前作に比べると、ストーリー構成は改善されたと思います。
隠しきれないアサイラムクオリティ
ここまでポジティブな評価をしてきましたが、やはりアサイラム製作のサメ映画だけあって、細かい部分のツッコミどころは満載です。
「ほぼ全ての陸地が沈んだ近未来の地球」という設定なのに、登場人物が海に浮かぶシーンと船が航行するシーンの海の色や見た目が明らかに異なり、浅い場所で撮影していることが丸わかりです。
また、海に浮かぶ木製の掘っ立て小屋みたいなバーで飲んでいたはずが、急に現代的なコンクリートの港が登場し、プラスチック製と思しき桶が背景に沢山映っています。
ストーリーについても、序盤から重要なアイテムとして描かれていた太陽の石が、ラストの土壇場で「石は君のパワーに反応していただけだ!」という暴論のもと不要な存在と化し、ウィローが石無しでサメを操り始めます。
「本来必要だとされていたものを失った主人公が真の力を発揮してそのアイテムなしでも困難を乗り越える」的な展開はアニメでよく見られますが、本作では「結局太陽の石とは何だったのか」などの話が深堀されないまま話が進むので、よく考えもせずテキトーに終わらせた感がすごいです。
さらに言えば、前作よりもサメの種類やギミックの多様性は増しているものの、基本的にCGはB級映画あるあるの低クオリティで、同じような映像が何度も使いまわされています。
あくまで前作『Planet of the Sharks 鮫の惑星』よりマシというだけなので、その辺りはご了承の上でご視聴いただければ幸いです。
その他見どころや豆知識
- 謎の装置でサメを操るフィエンの手下のポーズがいちいちウザい。
- 海水から真水を精製する装置を人力で動かさなければいけないほどエネルギーに困っているはずなのに、何故かノートPCが複数出てくる世界。
- 「カミカゼ鮫」というセリフがありますが、カミカゼは英語でも「kamikaze」です。自分の命を顧みない無謀な試み、自身の死を前提にした向こう見ずな作戦などを指して使われます。
- 船の船長アンがミツクリザメに向かって構える銃が『ジョーズ』のクイントが持っていた銃にそっくり。
- フリーダイバーのお姉さんが喰われたのか曖昧な描写で退場していますが、彼女は死んだのでしょうか・・・。
- ラストでサメ使いとしての修業を始めるシーン、念力でサメを操れるはずなのに、何故かしゃもじみたいなもので水をチャプチャプするのがシュール。
サメに関する解説
サメの造形
全体的な見た目としては『シャークネード』シリーズに登場するサメたちと同じでした。
ホホジロザメがモデルと思しきサメが多く登場しますが、吻がやけに短い、第一背ビレ付近がヤジブカのように盛り上がっている、胸鰭が妙に長いなど、細かいツッコミどころの多いショボいCGのサメが泳ぎ回ります。
また、「カミカゼ鮫」として爆弾を装着したミツクリザメは、何故かアゴを飛び出させたまま突っ込んできます。ミツクリザメの特徴的なアゴは獲物を襲う時に飛び出すものであり、本来はあのように飛び出ていません。
このように、低クオリティな再現が多い中、アオザメのビジュアルは悪くありませんでした。アサイラムのCG担当にアオザメ推しがいる説が濃厚です。
サメの行動
謎の機械で操られている設定なので深くは突っ込みませんが、どうしても気になったのは「カミカゼ鮫」として登場したミツクリザメです。
ミツクリザメは体全体が水っぽく、推進力を生むうえで重要な尾鰭もペラペラで、素早く泳ぐには不向きな体をしています。
さらに、背鰭や胸鰭も非常に小さいため、ホホジロザメやシュモクザメなどに比べると、泳ぐ時の安定感に欠け、機敏な方向転換も難しいと思われます。
そもそもサメに爆弾を装着して特攻させること自体が倫理観に欠けますが、仮に兵器として実現させるとしてもミツクリザメはカミカゼには不適切なサメです。良い子は絶対に真似しないようにしましょう。
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