邦題 | エイリアン VS ジョーズ |
原題 | Shark Encounters of the Third Kind |
公開年 | 2021年 |
監督 | マーク・ポロニア |
出演 | ジェニー・ルッソ/ティトゥス・ヒムルバーガー/ジェフ・カーケンドール |
制作国 | アメリカ |
ランク | Z級(もはや映画ではない何か。サメ映画の沼であり闇。見ればZだと分かる。) |
ストーリー | ★☆☆☆☆ |
演出や絵作り | ☆☆☆☆☆ |
サメの造形 | ★☆☆☆☆ |
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あらすじ
米国にある海沿いの田舎町にて。「海に沈んだUボートに金塊が眠っている」という噂を信じたトレジャーハンターたちは、凶暴なサメによってダイバーを殺されてしまう。
同じ頃、宇宙人の存在を信じる人々の診療を行っていたセラピストのケイは、海岸で不思議な光を目撃した直後、無残な状態になった男性の頭部を発見する。
通報を受けた水上警察のアランはサメの襲撃を疑うが、遺体の表面には火傷のような傷跡があった。
町に不穏な空気が漂う中、サメを操る謎の宇宙人が現れ・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
「結果」以前にほぼVSしない
「もう結果だけ教えろ!」という、VS系の映画史上最も投げやりなキャッチコピーをつけられたサメ映画です。
日本語字幕を担当したサメ映画ルーキー氏によれば、B級クソ映画『エイリアンVSアバター』のキャッチコピーである「勝手に戦え!」を超えたいという、配給会社の熱い想いから生まれたフレーズなのだとか・・・。
そんな本作ですが、エイリアンとサメはほぼ戦いません。というより、本作が一体どんなストーリーなのか理解すること自体が困難です。
予告編やDVDパッケージには「宇宙人はマインドコントロールでサメを操り・・・」などと書いてありますが、宇宙人は終始無言で謎の装置をいじっているだけであり、彼らが何をしているのか不明なまま物語が進行します。
途中で宇宙人がモンスターボール的な物体でサメを捕獲する場面はあるものの、この場面よりも前にサメが人間を襲っているうえ、その後ダイバーを海に引きずり込んだ宇宙人がサメに食われたりしているので、果たしてマインドコントロールできていたのか疑問です。
しかも、海底のUFOからサメを操っているのかと思いきや、陸上を散歩して自ら人間を襲ったりもしていて、本当に何がしたいのか分かりません。
さらに、本作はセラピストのケイが遺体を発見したことから始まるSFサスペンス展開と、トレジャーハンター二人組がサメを出し抜こうとする海洋スリラー展開の二軸構成ですが、この二つの流れはほとんど交わることはなく、奇天烈な患者たちの電波トークやトレジャーハンターたちの大して面白くない会話劇を交互に見せられるだけのカスみたいな内容になっています(一応ラストで少しだけ交わりますが)。
- 結局サメはマインドコントロールされていたのか?
- それなら何故途中で宇宙人に反旗を翻したのか?
- 宇宙人の目的は何だったのか?
全てが謎のままであり、Uボートの金塊の真相、途中に登場したオタク風の男性、検視官などがどうなったのかも描くことなく、物語は幕引きを迎えます。
Z級サメ映画の中でもポロニア監督の作品はストーリーが分かりやすい印象でしたが、本作は『シャーケンシュタイン』や『ランドシャーク』などと比べてもだいぶカオスな仕上がりで、Z級サメ映画の中でも中~上級者向けの作品に思えます。
強いてフォローをするならば、『エイリアン VS ジョーズ』という戦う要素満載の題名は日本の配給会社がつけたものであり、原題の『Shark Encounters of the Third Kind』は『未知との遭遇』のオマージュです(『未知との遭遇』の原題は”Close Encounters of the Third Kind”)。
もっとも、『エイリアンVSプレデター』的な映画ではなく『未知との遭遇』的な映画として観ればマシに思えるのか?と問われれば、「そんなわけねーだろww」と返すしかありませんが・・・。
勝ったのは結局サメ?
「70分以上も人生を無駄にしたくはないけど、やはり結果は知りたい」という方のために僕なりのジャッジを述べると、この戦いはサメの勝利だったように思えます。
先にもお伝えした通り宇宙人が何をしたかったのかよく分からないのですが、写真撮影をしたいという男性の腕を電撃で吹き飛ばしたり、ケイの母親を操って殺人マシーンにしてしまうなど、人間に対して敵意をもった存在だったのは間違いないようです。
そして、宇宙人はモンスターボールのようなものでサメを捕獲したり、怪しげな装置や電撃でサメに何かをしているわけですが、サメが暴れたっぽい描写の後にUFOがダメージを受け、最終的にはサメが宇宙人を二人ほど食い散らかしてUFOが爆発しています。
さらに、宇宙人はほぼ言葉を発しなかったくせに、クライマックスで何故かサメの方が突然テレパシーを発動し、
海は我々のものだ。我々は敵を倒したが、我々は友ではない。もう近寄るな。我々も近寄らない。
という、妙にカッコいいセリフを残して去っていきます。
つまり、サメが人間を襲っていたのは自分たちの領域である海に入ってきたからであり、宇宙人と手を組んで滅ぼす意思まではなかった。そして、サメが宇宙人を食っているので、一応宇宙人とサメが戦ってサメが勝ったと見なして良いのではないでしょうか。
散々サメを人間やタコと合体させたりして陸上に進出させてきたサメ映画の世界において「もう近寄るな。我々も近寄らない」というセリフがサメから発せられたのは感慨深いですね。
もしかすると本作には、陸上動物の分際で海に入った挙句、年間10人にも満たない死亡事故をセンセーショナルに取り上げて「サメは危険な人喰いモンスターだ!」と喚く愚かな人々に対する皮肉が込められているのかもしれません(多分そんなことはない)。
その他見どころや豆知識
- 明らかに昼間に撮影した映像なのに、明るさを調整して雑な星空を合成して夜という設定にするポロニアクオリティ。しかも、その直後に青空が普通に映ります。
- 子猫を埋葬した後、宇宙人に掘り起こされないためのマーキングと称して自身の小便をかける女性。禁止された後も野良猫に餌付けしようとするなど、色々と救いようがありません。
- 照明弾一発で何故か燃え上がるサメ。
サメに関する解説
サメの造形
基本はオモチャのサメがただ横切る映像や、板切れの背鰭を合成した冗談としか思えないクオリティの映像の使い回しでした。
一部ではヤジブカ、シロワニ、ネムリブカなどが泳ぐ水族館の映像も使用されていました。
なお、モンスターボール的な何かでゲットされたり照明弾で燃やされて沈んでいくサメは『ランドシャーク』で使われたものと同じハンドパペット的な物体で、途中に使用されたサメのシルエットは『ウィジャ・シャーク 霊界サメ大戦』に出てきたものと同じでした。
サメの行動
あまりサメが出てこないので、特に言うことはありません。
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