邦題 | パペットシャーク |
原題 | Puppet Shark |
公開年 | 2022年 |
監督 | ブレット・ケリー |
出演 | アダム・ゴールドバーグ/チャンス・ケリー/カイリー・ゴフ |
制作国 | カナダ |
ランク | Z級(もはや映画ではない何か。サメ映画の沼であり闇。見ればZだと分かる。) |
ストーリー | ★☆☆☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ★★☆☆☆ |
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サ
あらすじ
二人の少年グレイスとチャンスは、キャンプを楽しむべく湖畔の森を訪れる。
夜も更けてきたころ、二人はマシュマロを食べるという不思議な人喰いザメの話を皮切りに、嘘か本当か分からないサメの物語を語り合い始める。
しかし、そんな二人の背後に怪しい影が迫っていた・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
パペットになってもZ級なのは変わりなし
『ウィジャ・シャーク 霊界サメ大戦』などのZ級サメ映画でお馴染みブレット・ケリー監督が製作した、全編パペット劇の映画です。
セサミストリートの製作元から鉄拳制裁を食らいそうなほど著作権的にグレーなパペットたちが、ゆるすぎる見た目のサメと交流したり喰われたりします。
映画全体は「キャンプに来た少年たちが語り合う」という設定で相互に関係ないサメにまつわる物語が披露される、いわゆるオムニバス形式で進みます。
色々とおかしい作品が無数に存在するサメ映画業界において、恐らく本作は最初の(もしかしたら最後の)パペット系サメ映画ですが、さすがはブレット・ケリー監督。見事なまでのZ級でした。
まず、パペット映画にすることの利点を全く活かせていません。
そもそも、なぜ低予算のサメ映画が酷い仕上がりになるかと言えば、サメの再現や水中撮影にお金がかかるという理由が大きいはずです。
高クオリティのアニマトロニクスや撮影用の船、水中カメラを用意する予算がないので、自由研究みたいなクオリティの模型やCGで再現したり、「陸を歩くサメ」のようなトンデモ設定になったり、そもそもサメが全然出てこない作品になってしまうのです。
パペット映画ならその問題がクリアされるので、サメがバンバン登場する面白い作品を目指せばよいものの、作中の大部分はセサミ的な見た目のパペット人形たちがよく分からない会話劇を繰り広げるだけという、Z級サメ映画をそのまま再現したような内容になっています。
しかも、約60分という非常に短い作品であるにもかかわらず、冒頭の本筋に関係ないモブキャラの捕食シーンとオープニングクレジットで10分以上使い、さらにエンドロールで7分も消費してしまっています。
また、子供たちによって語られる物語も、
- おバカなヒッピーがサメに喰われる
- 口の臭いサメを歯医者が治療する
- 店のオーナーである残忍なサメと彼に利用される人魚の駆け引き
など、脈絡がなく何を描きたかったのか謎な内容ばかりです。
パペットになってもZ級はZ級だと思い知らされた作品でした。
『ジュラシック・シャーク』の裏話?
作中におけるサメの物語で注目すべきは、Z級サメ映画の撮影スタッフがサメに襲われる話です。
ひたすら森を無言で歩くシーンを撮影することについて「何故サメ映画なのに森なのか?」とツッコミを入れられた監督は「サメ映画には何故か森を歩くシーンがある」「観客がそれを求めている」という無茶苦茶な反論をします。
さらに、湖での撮影なのにメガロドンが登場する設定について監督は「サメ映画だから誰も気にしない」と言い放ち、スローモーションを演技で表現しろという意味不明な指示を出します。
Z級サメ映画を観るような方ならお分かりだと思いますが、このシーンはブレット・ケリー氏が監督を務めた別作品『ジュラシック・シャーク』のオマージュです。
サメ映画業界には常軌を逸した感性の方が多くいるので断言しづらいのですが、少なくとも僕はサメ映画に森を求めていないし、森が出てくるサメ映画があるのはお前のせいだと言いたいです。
「意味を考えるな」Z級サメ映画監督の心の叫び?
クライマックスではサメ物語の語り合っていた子供たち自身がサメと遭遇するのですが、そこで登場するサメが「Z級サメ映画監督の心の叫びではないか?」と思わせるセリフを放つのが印象的でした。
なぜ陸にいるのか?なぜ喋れるのか?なぜ変装していたのか?など至極真っ当なツッコミを浴びせられたサメは、
何故いちいち意味を求める?ただ楽しめばいい。変なものは変なままでいい。意味を考えるのをやめろ。
などという主張を展開し、子供たちに襲い掛かります。
本作『パペットシャーク』をはじめ、サメ映画には意味・整合性・合理性などを真剣に考えて欲しいと感じる作品が数多く存在しますが、作っている当人たちからすれば、そうしたことを考えずに表現することが大切なのかもしれません(少しは考えろ)。
その他見どころや豆知識
- 歯磨いたブラシでそのまま髪をブラッシングしないでください。
- 海に飛び込む彼女に対し、何故かフルネームで名前を呼ぶ彼氏。
- 作中の子供の声は、ケリー監督の子供たちが当てています。
- キャンプに行く準備をする子供たちが何故か電動ドリルを用意するも、後半で全く活かされない。
- 「カナディアン・マシュマロシャーク」とかいうパワーワード。
サメに関する解説
サメの造形
究極レベルにデフォルメされた可愛らしいパペットのサメでした。
サメのぬいぐるみは様々なタイプのものが存在しますが、本作のサメは黒ビーズだけで表現されたつぶらな眼、上顎にしか生えていない歯、エラ穴がないなど、非常に簡素な見た目でした。
本作におけるサメのクオリティ云々よりも、ここまでデフォルメされても「サメ」と伝わるという、サメの汎用性の高さに感心しました。
サメの行動
作中で「サメの口の中にチーズが挟まっていて口臭が酷い」というシーンがあります。
サメがチーズを歯に詰まらせるかは分かりませんが、歯茎や口腔内に節足動物と思しき寄生虫が挟まっているのは見たことがあります。
経験則ですが、アオザメの口にはだいたい寄生虫がついているように思えます。
サメは歯が生え変わり続けるので羨ましいと感じることが多いですが、もしかすると彼らなりに歯の悩みがあるのかもしれません・・・。
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