邦題 | ジョーズ キング・オブ・モンスターズ |
原題 | Nightmare shark |
公開年 | 2018年 |
監督 | エイドリアン・グランバーグ |
出演 | キャロライン・コール/トニー・アメンドーラ/レイチェル・ブルック・スミス |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品) |
ストーリー | ★★☆☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ★★☆☆☆ |
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あらすじ
幼少期に謎の男に船を沈められて家族を失った過去を持つエヴァは、家族の恐ろしい姿とサメが出てくる不可解な悪夢に苦しめられていた。
エヴァは彼氏であるエンゾと共に、悪夢を解消する新薬を研究しているというノバク博士の治験を受けることに。
自分と同じサメの悪夢を見ているという男女と治験を受けるエヴァだったが、彼らの夢はどんどん悪化していき、ノバク博士の実験に対して不信感を持ち始める。
そして、夢の中の存在であるはずのサメが現実世界に現れるようになり・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころと
ゴジラ無関係のタイトル&あらすじ詐欺
マイケル・ドハティ監督の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』にタイトルが酷似しているので、「ゴジラに関係あるか、少なくともゴジラみたいにデカいサメが出てくるだろう」と思った人もいるかもしれません。
実際、DVD販売や動画配信のサイトには、以下のようなあらすじが記載されています。
悪夢の恐怖、再び!人類は見つけてはならないものを、見つけてしまった。その名はカウフフ。愛らしい名前に騙されてはいけない。カウフフは人間ではなく、現実と夢の間に存在していて現実世界を支配しようとする最恐の巨大ザメなのだ。体長10mで潜水艦をも破壊し、弾丸よりも鋭い25cmの牙であらゆるものを噛み砕く。眠ったが最後、夢の中で殺されると本当に死んでしまう。恐るべき巨大モンスターが、目を覚ます。
Amazon Prime Videoのあらすじより引用(太字は筆者)
しかし、先に僕が書いたあらすじを見れば分かる通り、ゴジラは全く関係なく、巨大ザメがゴジラ並みに大暴れすることもありません。
そもそも『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の公開は2019年でしたが、本作『ジョーズ キング・オブ・モンスターズ』は2018年に製作されており、パクリようがありません。
本来であれば原題のカタカナ読みである「ナイトメアシャーク」か、ネタ路線で行くなら「エルム街のジョーズ」とでもすべきタイトルの作品であるにも関わらず、本作が日本で配給される2019年に『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が公開されたことで、それに寄せた邦題とあらすじで配給されました。
サメ映画では(というよりほかの映画でも)原題とかけ離れたタイトルがつけられるのは”あるある”ですが、巨大ザメも潜水艦が全く登場しないのに「体長10mで潜水艦をも破壊し」などとあらすじに書くのは、詐欺以外の何物でもありません。
あくまで日本の配給会社の都合なので作品自体に罪はないものの、メガロドン映画のようなものを期待させておいて内容が全然違うというのは、モラル的にいかがなものかと感じます。
『エルム街の悪夢』サメver
メガロドンが出てきそうな邦題に反し、本作はじっとして不気味なホラー作品になっています。
物語の導入や舞台設定は『ホーンティング』、敵の設定は『エルム街の悪夢』という感じで、サメが人を喰いまくる映画というより、サメ的な何かが出てくるホラー映画という方が適切です。
お風呂のバスタブから背ビレが出てくるシーンなど、明らかに『エルム街の悪夢』のパロディだと分かる描写もチラホラ見受けられました。
窓に映る風景が突然水中になるなど夢という設定ならではのシーンが多く、ホラー映画と想定して見ればそこまで悪くありません。
ただし、サメよりも悪夢そのものやノバク博士の狂気に焦点が当てられていてサメの出番が少なく、会話シーンが全体的に冗長なので、サメ映画として観てしまうと退屈かもしれません。
また、『エルム街の悪夢』は「夢の中で殺されると現実世界でも死ぬ」という分かりやすい設定だったのに対し、本作では、
- 現実世界に夢ザメが出てくるとアウトなのか?
- 夢の中でサメに食われるとアウトなのか?
- 夢の中でサメ以外の原因で死んでもアウトなのか?
など、死亡判定が曖昧で、「漠然とヤバいことになっているのは伝わるけど何が起きているのかイマイチ分からない」という描写が多いです。
さらに、夢の内容がカオス過ぎるうえサメの能力や属性もよく分からないまま話が進行するので、全体的に雰囲気で押し進めている感があり、スッキリしないところもありました。
「夢の中でサメが襲ってくる」というアイディア自体は面白いものの、「もう少し分かりやすくてサメが多く活躍する映画にできなかったのか?」と感じてしまい、やや残念な印象です。
他サメ映画のキャラが登場
本作は、他のサメ映画に登場したキャラクターたちが出てくるのも見所です。
『シャーク・ショック』のロブとジョリーン、『シン・ジョーズ』のジーナとカプランが治験参加者の男女として登場します(どちらも本作と同じSyfy局のテレビ映画)。
「サメに襲われてから悪夢を見るようになった」という設定の登場人物に他のサメ映画のキャラクターを起用するアイディアはなかなか面白いと思いました。
また、ノバク博士のノートにそれぞれの作品での出来事を報じる新聞記事の切り抜きがあるという小ネタも存在します。
その他見どころや豆知識
- 道路から次々に背ビレが出てくるのが、クラッシュバンディクーのステージみたいでシュール。
- お互い眠らないように見張ると言っていたのに、突然現れたトラクターを調べに行くジョリーン。
- 今まで互いの夢がリンクしたことないのに、「今眠ればエヴァの夢に入れる」と何故か確信するジーナ。
- 彼氏が殺されたのにそこまで取り乱さないエヴァ。
- MRIの電源を入れた途端に吸い込まれるサメ。お前は金属だったの?
サメに関する解説
サメの造形
本作のサメはカウフフ(Kauhuhu)というハワイの伝承に登場するサメの神という設定で、完全に異形の怪物として描かれていました。
全体的にはホホジロザメがモデルっぽい姿ですが、吻が非常に短く、不揃いな長さの細長い歯が大きな口の中に並び、大きな目が顔のかなり前方にあるお面のような顔をしていました。
気味が悪いと思うかギャグみたいな姿だと思うかで意見が分かれるでしょう。
サメの行動
完全にこの世のものではない存在なので、あまり言うことはありません。
飛蚊症の時に見えるアレや虫の大群のような散り散りの状態になるなど、もはやサメと関係ないような動きも多かったです。
その他サメの解説
本作に登場するサメの神カウフフ(Kauhuhu)について、日本語で検索しても情報が出てこないので本作における創作だと思っている人もいるようですが、実際にハワイの神話に登場する神らしいです。
英語で調べると多少情報が出てくるので、興味のある方は調べてみてください。
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