邦題 | 妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク |
原題 | 妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク |
公開年 | 2023年 |
監督 | 坂本浩一 |
出演 | 平野宏周 / 西銘駿 / 長野じゅりあ |
制作国 | 日本 |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品) |
ストーリー | ★★★☆☆ |
演出や絵作り | ★★★☆☆ |
サメの造形 | ★★☆☆☆ |
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あらすじ
時は江戸時代。海沿いの沖津村は、螭鮫士郎率いる邪教集団”紅魔衆”に支配されていた。
人々は鮫士郎が操る魔物の恐怖に怯え、彼の魔術に必要な真珠を納めるよう要求されていたのだ。
沖津村の村長は、荒くれ者の用心棒である潮崎小太郎に助太刀を依頼。小太郎は村に住む青年の信助と共に魔物の正体を突き止めるが、彼らの前に現れたのは、恐ろしい巨大ザメだった。
信助たちを守るため、小太郎は封印していた過去と向き合い、忍びとして立ち向かうことを決意する・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
思った以上にサメが出てこない忍者モノ
ストーリーの流れを大雑把に説明すれば、「暗い過去を持つ元忍びの用心棒が村から邪教退治の依頼を受け、その村で出会った男女と交流する中で過去の経験と向き合い、二人を救うために再び忍びとして立ち上がる」というものです。
サメ映画の皮をかぶった出来損ないのグラビア映像作品『ジョーズ・イン・ジャパン』をサメ映画として認めない場合、本作はサメ映画史上初の国産サメ映画となります。
とはいえ、本作も「サメ映画」と称していいのか迷いを感じる作品でした。
とにかく序盤はサメが出てこず、後半もサメの出番は控えめです。
ストーリーの大半は人間同士のアクションシーンや主要人物の回想シーンで占められており、中盤の短いシーンと最終決戦以外でサメは登場しません(サメ人間的なものに変身する鮫士郎をサメとカウントするなら話は別ですが・・・)。
監督も主演男優も特撮ヒーロー物を得意としており、ヒロインとヴィラン側の女優が二人とも格闘技経験者というキャスティングからしても、サメよりもアクションに重きを置いていることが感じられます。
実際、アクションシーンはなかなかに見応えがあり、刀を用いた肉弾戦から妖術を使ったSF的な戦いまで楽しむことができます(個人的には、妖術で操られているという設定があるにしても動きがキレッキレすぎる沙代の格闘シーンが好きです)。
サメ目当てでサメ映画を見て「全然サメでねーじゃねーか!」となるのはB級サメ映画にありがちな残念ポイントですが、本作は本格的なアクションシーンがそれを補完してくれるので、B級の中でも高品質な部類と言えるでしょう。
サメに関係ないグロさも多め
もう一つ特筆すべき点を挙げれば、サメ映画にしてはグロテスクな場面が多いということです。
サメに人が喰われるのがサメ映画の醍醐味ですが、捕食シーンの多くは「水中に引きずり込まれた後に海が真っ赤になる」などグロテスクさが控えめなことが多いです。胴体が引き千切れたり内臓が飛び出したりという直接的な描写を見ることはあまりありません。
しかし、本作には内臓をぶちまけられた遺体が打ち上げられていることに始まり、首を切り裂いたり四肢を吹き飛ばしたりと、流血シーンやグロ描写が多く含まれています(テイストとしては『どろろ』に近いものを感じました)。
また、登場当初は老人である鮫士郎がイケメンを舐めまわしたり、絶命した菊魔に屍人形の女が謎の接吻をするなど、製作陣の性癖が垣間見えるようなシーンもありました。
B級サメ映画は人が食われるシーンも含めてゲラゲラ笑えるネタになっていることが多いですが、本作の死亡シーンは人を選ぶようなものが多いので、グロが苦手な方は若干注意です。
B級サメ映画への強いリスペクト
以上の通り「VSシャーク」というタイトルの割にはサメの出番が少ない本作ですが、その登場シーンはB級サメ映画への愛やリスペクトが溢れているように感じました。
というのも、本作のサメには
- 「メガロドンか」とツッコミたくなるほど異様にデカい
- 謎の雄たけびを上げる
- キャタピラが付いているのかと思う動きで陸に進出
- 砂浜に潜ったり突然飛び上がってくる
など、B級サメ映画的な要素が多く盛り込まれています。
「いくらデカくても、魚は陸に上がれねえ!」と叫んだ直後、弾丸のような速さで突っ込んできたサメが『ビーチ・シャーク』さながらに襲ってくるフラグ回収も見事です。
また、小太郎が必殺技でサメの腹を切り裂いて爆発させ、丸飲みにされていた信助と沙代を救い出す場面は、サメ映画の伝統芸能である爆発とB級サメ映画の金字塔『シャークネード』のお約束を組み合わせた、非常に芸術点の高いシーンに仕上がっています。
サメを登場させる必要性をほぼ感じさせないストーリーではあるものの、「きっと製作陣はサメ映画が好きなんだろうな」と感じさせてくれる作品です。
その他見どころや豆知識
- 本作に絡めて『「サメ映画」という深~い沼と可能性』というテーマで日刊サイゾー様に以前取材して頂きました(実際の記事はコチラ)
- 魔術に真珠が必要なら海でどんどん真珠をとらせればいいのに、何故か海に入った尼さん達を魔物に襲わせる頭の悪い紅魔衆。
- 雇い主を始末している様子を見ておいて小太郎に仕事を依頼する肝の据わった村長。
- 小太郎たちが格闘している間、ただ沙代の周りを泳ぎ続けるシュールなサメ。
- 噛まれて首元から大量に流血をしているのに何故か気合いで持ちこたえる信助。しかも途中から傷が消えています。
サメに関する解説
サメの造形
B級サメ映画にありがちな「恐らくホホジロザメがモデルなのだろうけど、色々違うサメ」でした。
三角形の大きな歯、やや尖り気味の吻先、背中がダークグレーで腹は白色というカラーリングなどの特徴は合致していますが、腹鰭が小さすぎますし、目がなんとなく間抜けです。
サメの背鰭が先の丸い幅広三角形だったり鎌形になったりと、登場シーンによって形状が変わっていたので、サメのビジュアルにはそこまでこだわっていなかったように思えます。
サメの行動
サメは吠えません。陸に上がっても軟骨で巨体を支えるのは難しいでしょうし、砂の密度を考えれば高速で地中を動き回るのも無理です。
他作品でツッコミを入れてきたサメ映画のおかしな部分が本作には濃縮されていました。
その他サメの解説
本作でサメに襲われた人間には「N」または「Z」に見える独特の傷がついていましたが、どんな噛まれ方をすればあのような傷がつくのか謎です(魔物に襲われたためにつけられた刻印的な設定かと思いきや、そうした説明もなし)。
また、サメが爆発した後に飛び出してくる信助たちが腸のようなものに塗れていますが、サメの腸は人間のように細長くありません(喰われた他の犠牲者の内臓という設定かもしれませんが)。
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