一般に「水族館」と認識されている施設は文字通り「〇〇水族館」という名前だったり、施設名に「マリン」「シー」「アクア」など、海を連想させる単語が入っていることが多いです。
しかし、中にはそうしたネーミングではないのに、水族館と同じように生き物の水槽展示を楽しめる施設が存在します。
その中でもサメ好き・エイ好きにとっては見逃せない施設が、板橋区立熱帯環境植物館です。
名前の通り熱帯植物を展示している植物園なのですが、館内には小さな水族館があり、他の園館ではなかなかお目にかかれない激レア板鰓類が展示されています。
今回は板橋区立熱帯環境植物館に展示されている生き物たちを紹介していきます。
歩くサメ!パプアンエポーレットシャーク
最初にご紹介するのが、パプアンエポーレットシャークというサメです。
エポーレットシャーク(和名はマモンツキテンジクザメ)という、胸鰭と腹鰭でてちてち歩く可愛らしいサメがいるのですが、その近縁種です。名前の通り、パプアニューギニアの南部でのみ確認されています。
エポーレットシャークは多くの水族館で展示されていますが、このパプアンエポーレットシャークは展示数が非常に少なく、この板橋区立熱帯環境植物館以外ではほとんど見ることができません(アクアマリンふくしまで飼育しているという情報がありますが、2023年9月時点で展示しているかは不明確)。
なお、見た目は普通のエポーレットシャークに似ていますが、エポーレットシャークは特徴的な大きい斑点模様と他の斑点模様のサイズが明らかに異なるのに対し、パプアンエポーレットシャークは体に散らばる斑点模様もかなり大きいという違いがあります。
水槽の魚名版には「眼の前と眼の下に斑点がないので見分けます」と書いてありますが、エポーレットシャークでも同じ特徴を持つ場合があるので、模様の大きさで見分けるのが無難だと思います(尾鰭の形状でも見分けられる気がしますが、学術的に通用する方法なのか自信がないので深くは触れません)。
なお、今回は可愛い顔を撮影したり歩き回る愛らしい姿の観察に成功しましたが、基本的に岩の中に頭を突っ込んで動かないことも多いので、良い写真を撮りたいという方は長期戦を覚悟してください。
巨大淡水エイ!プラークラベーン(ヒマンチュラ)
お次に紹介するのは、超巨大な淡水エイ、プラークラベーンです。
現在の学名は「Urogymnus polylepis」ですが、かつては「Himantura chaophraya」という種だとされており、その名残で現在も「ヒマンチュラ」と呼ばれることがあります。
一般に水族館で展示されている淡水エイはポルカドットスティングレイ(バンドではない!)をはじめとする南米原産の仲間が多いですが、このプラークラベーンは東南アジアに生息する種で、日本では現在この板橋区立熱帯環境植物館でしか見ることのできないウルトラ激レア生物です。
尾までを含めた全長が最大4m近くになる大型種で、水槽内でも圧倒的な存在感を放っていました。
なお、解説展示には「体長2m70cm」と記載がありますが、目測では体盤長1m以上、頭の先から尾までの全長が270cmではないかと思います。
プラークラベーンの分かりやすい特徴としては、頭の先が尖っている点です。
アカエイの仲間も多少尖り気味なことはありますが、プラークラベーンは特に突出しており、スペードのような形をしています。
また、透明度の悪い川の中で暮らしているためか、海で暮らすエイたちよりも体に対して眼が小さいです。
せっかくなので植物園も観察してみた
サメ好きであればここまでで満足してしまいそうですが、水族館エリアには他にも生き物たちが展示されていますし、そもそもこの施設のメインは熱帯植物です。
せっかくなので、他の生き物たちも観察させていただきました。
そこまで規模は大きくありませんが、格安で激レア板鰓類や熱帯植物を鑑賞できるので、これを機に一度訪れてみてはいかがでしょうか?
板橋区立熱帯環境植物館の詳細
板橋区立熱帯環境植物館
- 営業時間:10:00~18:00(最終入館は17:30まで)
- 休館日:月曜日(祝日、休日の場合は翌日)
- 料金:大人260円/小学生・中学生・65歳以上130円/未就学児は無料
- 住所:〒175-0082 東京都板橋区⾼島平8-29-2
- 最寄り駅:都営三田線の高島平駅(東口から徒歩約7分)
※板橋区立熱帯環境植物館には撮影規定があります。
本記事のような個人が書く体験記ブログやX(旧Twitter)などのSNSに写真を載せる行為は許容範囲のようですが(電話で確認済)、YouTubeを含む動画企画の撮影には事前申請が必要です。
事前の企画書提出が必要、平日のみ撮影可など規定が細かいので、動画企画などを前提に訪問する際は必ず事前確認するようにしてください。
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