邦題 | ディープ・ライジング |
原題 | Shark Attack 2 |
公開年 | 2000年 |
監督 | デヴィッド・ワース |
出演 | トーステン・ケイ/ニキータ・エイガー/ダニエル・アレクサンダー |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品) |
ストーリー | ★★★☆☆ |
演出や絵作り | ★★★☆☆ |
サメの造形 | ★★☆☆☆ |
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あらすじ
海洋生物学者のニックは、自身が働く水族館の館長から「近くに現れたホホジロザメを生け捕りにして展示しろ」と命令される。
ニックはその指令を見事に遂行するが、ホホジロザメを目玉展示としてアピールしたい館長の勝手な行動により、サメは職員を噛み殺して脱走してしまう。
責任を押し付けられ水族館をクビになったニックは、脱走したサメに妹を殺された女性サマンサと共にサメの行方を追う。
しかし、その近海のホホジロザメはかつてクレイブン博士によって行われたホルモン実験の影響で凶暴化していて・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
前作から一転して平凡なサメ映画へ
『ディープ・ライジング』などという謎の邦題がついていますが、南アフリカを舞台にしたクライムアクション系サメ映画『シャークアタック』の続編です。
この作品のちょうど1年前に『ディープ・ブルー』がヒットしたので、関連性を匂わせたいという配給会社の思惑でこのようなタイトルになったのでしょう(本作以降もディープ〇〇というサメ映画は量産されます)。
とはいえ、「前作に登場したクレイブン博士によるホルモン操作の影響で成長速度や凶暴性を増しているサメたち」という設定以外に、前作と本作をつなぐ要素はありません。
また前作『シャークアタック』は、「連続するサメの襲撃の裏にある陰謀に迫る」というミステリーやアクション要素の強い異色のサメ映画だったのに対し、本作は良くも悪くも型にはまったサメ映画でした。
女性ダイバーがサメに襲われて姉妹一人だけ生き残り、そのサメが水族館に展示されるが結局は逃げ出し・・というキャラクターたちとサメの因縁づけは斬新であるものの、その後は「凶暴なサメがいるからイベントを中止しろ→今更そんなことできるか」というお決まりのテンプレ発動。
さらに、『ジョーズ』のマーティン・ブロディを演じた俳優ロイ・シャイダーと同じファーストネームを持つサメハンターが登場する、水族館の館長が『ジョーズ』の市長を悪人面にしたような顔をしている、一度サメが捕獲され「もう脅威は去りました」的なムードになるなど、もはやパクリと呼ぶべき『ジョーズ』のオマージュが散見されます。
サメを怖いものとして描きつつも諸悪の根源とはしない前作の良さが失われ、ただ凶暴なサメが人を沢山襲った後に吹き飛ばされるだけの映画となっており「果たして続編である意味はあったのか?」と思わされる作品です。
後に使いまわされる素材集
以上の通り胸を張ってお勧めできる作品ではないものの、B級サメ映画の沼にどっぷりハマりたい方には必見の映画となっています。
というのも、本作で登場するいくつかのシーンを、製作会社のヌー・イメージ社が素材集として使い回しているからです。
例えば、冒頭でサマンサたちがダイビングする沈没船のシーンやサーファーたちが襲われるシーンは、後に作られるサメ映画『ディープ・シャーク』でも出てきます。
また、本作にてサメが水中で人を噛むシーンも、同じく『ディープ・シャーク』や本作の続編『ディープ・ライジング コンクエスト』で再利用されています。
そもそも本作自体も前作『シャークアタック』で使われたのと同じドキュメンタリー映像を使っていたり、本作中で同じサメの映像を使いまわすこともしています。
B級サメ映画の黎明期に数多くの作品を輩出したヌー・イメージ社の素材集になったという点で、本作を含むこのシリーズは見逃せません。
その他見どころや豆知識
- 超余談ですが、本作の邦題『ディープ・ライジング』をそのまま英語にすると、モンパニ好きなら誰でも知る隠れた名作『ザ・グリード』の原題になります。
- 妹をサメに殺されて取り乱している割には冷静にダイビングギアを外していくサマンサ。引き気味のワンショットで撮られているからシュールさが目立ちます。
- 数回サメが体当たりするだけで壊れるゲートでしか外海と隔てられていないショボいプール。何故サメは人を喰うまであそこから逃げなかったのか?
- 会話しているシーンだけ船の背景が動いていない。最低限のシーンだけボートを操縦し、後は静止した状態で撮っているのが丸分かりです。
- ロイがサメを捕まえて取材を受けるシーン、例のサメかどうかで議論になっていますが、片目が潰れているかどうかを確かめれば済む話なのでは・・?
- ロイたちがケージに入った状態でサメに襲われるシーンにて、青いスーツのダイバーは一つの檻に二人いるシーンのはずなのに、一瞬一人ずつで写るシーンがあります。さてはここもドキュメンタリー映像を使っているな。
- サメを仕留めに行く前夜にニックとサマンサがプールで交わっていますが、翌朝ニックが別のシーンで着ていたシャツをサマンサが来ているという誰得の彼シャツシーンがあります。
- ロイがサメに噛まれて連れていかれるシーン、サマンサがすぐに救出を諦めていてニックも簡単に引き下がっており、すごい薄情に感じてしまいます。もう少し感情込めてドラマチックな演技はできなかったのか・・。
サメに関する解説
サメの造形
本作に登場するサメはサメ映画ではお決まりのホホジロザメで、そのほとんどはドキュメンタリー映像のサメを切り貼りして使っていました。人間を噛むシーンや檻を破壊するシーンでは模型を使っていたようです。
ドキュメンタリー映像について、本作は画質が明らかに異なるサメの映像が混じっていたり、同じ素材を反転させたとしか思えない映像が出てきたりと、前作に比べてあからさまであると感じました。
また、水族館から脱走するサメはサマンサが右眼を潰されている設定なのですが、ドキュメンタリー映像と模型の映像を雑に併用しているため、頻繁にサメの目玉が破壊と再生を繰り返します。
逆に、サメの模型はあまり数を作れなかったのか、複数のサメが次々に人を襲っているシーンのはずなのに水面から顔を出すサメの右目が全部潰れているという場面もありました。
そんな模型が水族館から逃げ出すシーンでは尾鰭が全く動かないためオモチャにしか見えず、全体的に緊迫感が欠けてしまっています。
なお、水族館の水槽内を泳ぐサメについてニックが「背ビレと尾ビレが体に対して大きすぎる」と述べていますが、特に何の変哲もないホホジロザメでした。
サメの行動
ホホジロザメが人間ばかり襲ったり集団で狩りをしている点については「実験体の子孫で遺伝子が変化しているから」という理屈で納得するしかありません。
ただし、作中で血液サンプルを解析した博士が「白血球が通常の3倍もある」と説明している点について「それはただの白血病では?なんでそれが急成長や凶暴性に繋がるの?」という疑問はあります(サメでは分かりませんが、魚類が白血病になることはあるようです)。
また、彼らが洞窟に集まっていた理由が謎です。
ホホジロザメは呼吸のために常に一定速度で泳ぎ続ける必要があり、狭い洞窟内は彼らが生きるには不向きです。
一体彼らはあの洞窟で何をやっていたのか?集団で狩りをする知能があるのであれば、あんな逃げにくくて呼吸もしづらい場所に引きこもらないという賢い選択をして欲しいものです。
また、本作ではサメが事あるごとにライオンみたいな唸り声をあげていましたが、サメは吠えません。仮に吠えるのだとしても、獲物に襲い掛かる瞬間に吠えたら獲物が逃げるので、そんな間抜けなことはしないでしょう。
その他サメの解説
- 水族館でサメの血液について議論するシーンにて、解剖されたサメが一瞬映りますが、顔つきや歯がホホジロザメに見えません。吻が短くて歯も小さいので、ホホジロザメではないメジロザメ類の何かでしょう。
- ロイ達のケージを破壊したサメがビーチに向かうシーンにて、背ビレ同士の感覚が近すぎます。あんなに密になって泳ぐはずがありません。
本作のシリーズ作品
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