邦題 | ゴースト・シャーク |
原題 | Ghost Shark |
公開年 | 2013年 |
監督 | グリフ・ファースト |
出演 | マッケンジー・ロスマン / デイヴ・デイヴィス / リチャード・モール |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品) |
ストーリー | ★★★☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ★★★☆☆ |
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あらすじ
海釣りをしていた親子が、自分たちの狙っていた獲物を台無しにされた腹いせにホホジロザメを殺してしまう。
しかし、瀕死の状態のホホジロザメは謎の洞窟で霊的な力を得て”ゴーストシャーク”として復活。親子と船長はサメの餌食に。
水があればどこでも実体化できるゴーストシャークは、海だけでなくプール、水道管、風呂、ウォーターサーバーなど、あらゆる場所から現れて見境なく町の人を襲っていく。
ゴーストシャークに殺された船長の娘エバとその仲間たちは、ゴーストシャークの秘密を知っていると思しき灯台の管理人フィンチに協力を求めるが・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
B級サメ映画の中ではストーリーがまとも
「腹ペコじゃ成仏できない」という秀逸なキャッチコピーで宣伝されたホラー系のサメ映画です。
「釣り大会のためにファイトしていた魚を食われた」という理由でサメを惨殺する直情的かつ迷惑な親子のせいでサメが霊体化し、ジョジョのスタンドかシャーマンキングのO.S.を彷彿とさせる能力を発揮して人々を血祭りにあげていきます。
全体的なストーリー展開は「人々が怪異に襲われる中で主人公がその謎に迫り、キーパーソン的な人と接触して正体が判明した後に最終決戦」というホラーの王道です。
『シャークネード』や『シャークトパス』に代表されるトンデモB級サメ映画なのは明らかですが、ストーリーの進行がスムーズなので、コメディ的なホラーとして観ればそこそこ楽しめます。
バカな親子がサメを殺す→サメが霊体化して親子と船長を殺す→翌朝に船長の娘が父の船を発見→サメが再び現れ娘の友人が死亡→ゴーストシャークの存在が明るみになるがまだ半信半疑→さらに人々が犠牲に・・・という風に、B級サメ映画にしては物語がテンポよく進むのが特徴です。
洗車ギャルや配管工をはじめとするモブキャラが襲われるシーンは時々挿入されるものの、「水さえあればどこでも現れる」という本作の醍醐味を十分に味わえる描写となっており、グダグダ感はありません。
飲んだ水を媒介にして内側から人間を引き裂く、排水溝を伝ってトイレに現れて人間を”詰まらせる”など、幽霊ザメとしてのギミックを活かすシーンが多く、「設定の勢いだけ良いけど中身は行き当たりばったりのやっつけ仕事だろ」という作品も多いB級サメ映画の中では光るものを感じました。
そもそもサメが霊体化するという設定がバカバカしい、キャメロンやその父親をはじめとする一部の登場人物が間抜けすぎる、伏線の張り方がやや雑などの残念ポイントはありますが、そうした部分を「まあB級サメ映画だから」と笑って流せる人になら、本作は割とおススメできると思います。
溢れ出る『ジョーズ』パロディ
本作には『ジョーズ』のパロディネタが散りばめられているのもポイントです。
- 冒頭に登場する釣り船のシルエットがオルカ号に似ている
- 髭モジャ釣りオヤジが「リールに水をかけてくれ」と発言
- サメの頭に手榴弾を投げ込む女の決め台詞が「Smile you son of a bitch」
- 夜の海でブイの鐘が鳴る
- サメの襲撃後、市長が24時間ビーチ閉鎖の宣言
- 『ジョーズ』でクリシーの腕が見つかった海岸を彷彿とさせるビーチの風景が特に意味もなく挿入される
- 保安官の名前がマーティン(ブロディ署長のファーストネーム)
- サメを倒した後に泳ぎながら「今日は何曜日?」と質問する
このようなジョーズネタが用いられるのはB級サメ映画では”あるある”ですが、本作のストーリー展開はオリジナル要素が強い(ホラー映画とすればありきたりな気もするけどサメ映画としては斬新)中でこうしたネタが披露されるので、パクリではなくパロディとして楽しめました。
さらに、後述する通りサメの見た目自体が『ジョーズ』で使われたロボット”ブルース”をモデルにしていると思われ、製作陣のジョーズ愛が伝わってきます。
その他見どころや豆知識
- 賞金3000ドルが云々と言っていますが、サメに噛み千切られた頭を見るに、どう見てもそんな賞金に値するような大物に見えません。
- サメの口に激辛ソースを流し込むという意味不明な嫌がらせ。
- プールにサメが現れて大騒ぎになっているのに、何故かギリギリまでもたもたし、這いあがりにくい飛び込み台から上がろうとするデブ。
- サメに何の関係もないのにバカなキャメロンのせいでサメに喰われてしまう博物館の職員が不憫すぎる。
- 水回りで不可解な死が連続しているのに水を放出させて路上で遊ぶクソガキ集団。
- 車に体当たりするという物理攻撃はできるのに銃弾は効かないゴーストシャーク。
- コップ一杯の水にも憑依できるはずなのに、ブレイスたちの体表についた雨水を使わず水たまりなどを媒介にして出現するゴーストシャーク。
- そのまま陸に戻ればいいものを、何故かそのまま海を泳ぎ続ける三人。
サメに関する解説
サメの造形
本作のサメはB級映画らしく不格好でしたが、ただ単にクオリティが低いというわけでなはく、『ジョーズ』のブルースに似せていたように見えます。
サメ映画ファンの方はご存知の通り、『ジョーズ』に登場するサメのアニマトロ二クスは顎が動くように作られていたため、頬が膨れたような形状でした。また、ホホジロザメにしては吻が短く、人形っぽい義眼がの周りが少し浮き出ている独特の顔つきをしています。
本作のサメをよく見てみるとブルースと同じようなアゴの可動部分があり、「ホホジロザメっぽく作って失敗したCG」というよりも、「ジョーズのロボットに似せたCG」と言えそうです。
サメの行動
幽霊になった時点で行動も何もありませんが、海水も真水も関係なく媒介にできるという設定が少し気になりました。
サメを含むほとんどの魚類は浸透圧という圧力の都合で、淡水と海水を行き来することができません(サメ類ではオオメジロザメ、硬骨魚では二ホンウナギなど例外はあり)。
人間が海水を飲み水として全く考えられないように、ホホジロザメにとっても真水や淡水は文字通り”生理的に受け付けない”環境のはずなので、幽霊になったとしても居心地が悪いのではないでしょうか。
逆に質や量に関係なくあらゆる液体を媒介に実体化できるのであれば、人間の血液を媒介に実体化して内側から引き裂いてしまえば楽な気がします。
わざわざ体外の水分に憑依して外側から襲ってあげるなんて、ゴーストシャークはずいぶんと律儀な幽霊のようです。
その他サメの解説
本作のタイトルは原題も邦題もゴーストシャークですが、実はこの名前自体はギンザメ類(軟骨魚類ではあるもののサメやエイとは少し離れた分類の魚)を指す名称でもあります。
ギンザメ類にはChimaera(キマイラ)という属名が与えられており、アズマギンザメ属の新種が報告された際も「ヨミノツカイ」という和名が与えられるなど、異質な存在というイメージが強いようです。
なお、ギンザメ類に他にもRatfishやRabbit fishという呼び方があります(Rabbitfishという表記の場合はアイゴ類を指す言葉になります)。
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