邦題 | ジョーズ 恐怖の12日間 |
原題 | 12 Days of Terror |
公開年 | 2004年 |
監督 | ジャック・ショルダー |
出演 | コリン・エッグレスフィールド / ジョン・リス=ディヴィス / エイドリアン・ギャレイ |
制作国 | アメリカ |
ランク | 準A級(世間的にはB級だが個人的にはお勧めしたい。) |
ストーリー | ★★★★☆ |
演出や絵作り | ★★★☆☆ |
サメの造形 | ★★★☆☆ |
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あらすじ
時は1916年。米国ニュージャージー州のビーチで、海水浴をしていた男性が何かに脚を噛まれて亡くなってしまう。
ライフセーバーをしているアレックスはサメの襲撃を疑うが、「仮にサメだとしても襲撃は連続しないだろう」という憶測のもと、そのままビーチは開かれることに。
しかし、それから6日後。再びサメが現れて第二の犠牲者が出てしまう。
人喰いザメには懸賞金がかけられ、ビーチにはサメ除けのネットが設置されるなどの対策が講じられたが、川を遡上していく巨大なサメが目撃されて・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
史実を見事にフィクション化した良作
『ジョーズ』原作のモデルになったとされる実際のシャークアタック「ニュージャージー州サメ襲撃事件」を、より史実に近い形で映像化したサメ映画です。
一連の事故が一つの街で起こったことになっていたり、後に犠牲になる男性と親友である設定のライフセーバーを主人公に置くなどドラマチックな脚色をしているものの、
という、実際の流れがかなり忠実に再現されています。
犠牲になる人物名には実際の被害者たちの名前が採用されており、最終的に捕まったサメが一連の犯人なのか確定的な情報が出ないまま幕引きを迎える点についても事実と合致しています。
リアリティを追及している分『ジョーズ』に比べると派手さは欠けますが、サメの直接的な描写を小出しにしていくことで徐々に盛り上がりをつけていたり、アレックスやキャップというオリジナルキャラクターを使ってハラハラ展開を作り出すなど、リアルとフィクションの塩梅が良い作品だなと感じました。
襲撃シーンのリアリティに注目
本作で特にサメ映画として注目すべきは、犠牲者の全員が失血死であるという点でしょう。
ほとんどのサメ映画ではサメが人間を丸呑みにしたり、海底に引きずり込まれて跡形も残らないことが多いですが、本作では「脚を噛まれた後に救助されるが、出血がひどいうえ手当てが間に合わず、顔から生気が失われて死亡」という、より現実的な(そして恐らく当時実際に起こったであろう)描写がされています。
実際サメによる死亡事故は、「喰われる」というより「噛まれる」と表現した方が適切だと思える事例が多いです(遺体が発見されないような例外事例もあり)。
昨今のトンデモなサメ映画の影響もあり、人がサメに喰われるシーンは笑いどころになりつつありますが、本作はサメの被害に遭うことの痛々しさや生々しさを伝えてくれる貴重な作品と言えるでしょう。
ちなみに、本作で使われるサメは後述する通り性能はそこまで高くないものの、暴れるシーンでのサメの動かし方や実物のサメの映像の取り入れ方が上手く、当時の低予算映画としては十分なクオリティだったと思います。
その他見どころや豆知識
- 本作の監督ジャック・ショルダーは隠れた名作SFホラー『ヒドゥン』の監督でもあります。
- 本作でキャップ(キャプテンの略称。本名不明)を演じたジョン・リス=ディヴィスは、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズにドワーフのギムリ役で出演しています。
- サメ退治に同行するよう頼むアレックスに対して「博物館がサメ狩りをするには一定の手続きが必要なんだよ」と言って断る魚類学者ニコラス。なんとなく生々しくて好きなシーンです。
サメに関する解説
サメの造形
本作に登場するサメは終始ホホジロザメとして描かれていました。
基本的には全身まで作られた模型が使われており、川を遡上するシーンや船に飛び掛かるシーンはCG、アレックス達と闘うシーンの一部は実際のサメの映像に網を合成するなどして再現されていました。
恐らく自力では動けない、あるいは動けるとしてもそこまで複雑は動作はできない模型だったと思いますが、映し方が良かったおかけで致命的にチャチには見えませんでした。
ただし、今から説明する通り、実際のニュージャージー州サメ襲撃事件の犯人はホホジロザメではなかったのではないか?という説があります。
サメの行動
本作(そして現実のニュージャージー州サメ襲撃事件)は、以下3つの点で議論を呼んでいます。
- 襲ったサメは本当にホホジロザメだったのか?
- 最後に捕まったホホジロザメが本当に犯人なのか?
- 一連の事故は単独のサメによるものなのか?
襲ったサメは本当にホホジロザメだったのか?
作中ではニコラス博士がオオメジロザメが犯人である可能性に言及しつつも、川で人を襲うサメの見た目は完全にホホジロザメとして描かれていました。
しかし、多くの方がご存知の通り、ホホジロザメは淡水で生きることができません。
淡水への適応能力の低いヨシキリザメが静岡県の川を遡上したという事例はあるので可能性はゼロではありませんが、人を連続して襲えるほど健康な状態でいられたのかは疑問です(静岡のヨシキリザメのケースでは、数人の小学生が簡単に捕まえられるほど弱っていました)。
したがって、少なくともマタワン川で人を襲ったのは、淡水への適応能力が高いオオメジロザメだったとする説が有力です。
最後に捕まったホホジロザメが本当に犯人なのか?
一連の事故は、マイケル・シュレイサー氏が捕まえたホホジロザメの幼魚が犯人だったかのように語られています。
しかし、これは「捕まったホホジロザメの腹から人骨が出てきた」および「このサメの捕獲以降は事故が起きなかった」という事実をもとにした推測です。
先の淡水適応の話も考慮すると、本当にこのサメが一連の事故の犯人だったのかは疑わしいです。
一連の事故は単独のサメによるものなのか?
本作では一連の事故が一つの街で起きたかのように描かれていましたが、最初の事故と二番目の事故が起きたビーチは72kmほど離れており、それぞれのビーチからマタワン川までもかなり距離があります。
したがって、作中でニコラス博士が述べた「新しい獲物が見つかって縄張りを作ったサメ」という説は的外れであり、それぞれの事故の犯人は別々のサメだった可能性があります。
今となっては確かめようがありませんが、このニュージャージー州サメ襲撃事件は、海流や魚群の行動パターンなど様々な条件がたまたま重なったことでシャークアタックが偶然連続してしまった、非常に稀有な事例とするのが妥当だと思います。
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