邦題 | ダブルヘッド・ジョーズ |
原題 | 2-Headed Shark Attack |
公開年 | 2012年 |
監督 | クリストファー・レイ |
出演 | カーメン・エレクトラ/チャーリー・オコンネル/ブルック・ホーガン |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品) |
ストーリー | ★★★☆☆ |
演出や絵作り | ★★★☆☆ |
サメの造形 | ★★★☆☆ |
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あらすじ
課外授業中の学生十数名と引率教員を載せた大型クルーザーが、ソロモン諸島の航海中にメガマウスザメの死体に衝突して損傷してしまう。
船の浸水箇所を修理する間、学生たちは近くのサンゴ島に上陸して探索することに。
しかし、二つの頭を持つ巨大ザメが突然現れ、修理していた乗組員や浜辺にいた学生が次々に襲われてしまう。
さらに、サンゴ島が崩壊を始めたことで、安全であるはずの陸地にも水没の危機が迫る。
果たして彼らはこの危機を脱して生き残ることができるのか?
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
サメの頭を増やすためだけに作った映画
映画の中には「戦争がいかに無益で悲惨か」や「家族の絆がいかにかけがえのないものか」など、何かしらテーマやメッセージを持つ作品も多いです。
しかし、本作『ダブルヘッド・ジョーズ』に込められた感情はただ一つ「サメの頭増やしたら面白いんじゃね?」だけです。実際にどうか分かりませんが、そうとしか思えません。
あらすじを読んでいただければ分かる通り、本作のストーリーには頭を二つにする必然性が全くありません。「少し大きな食いしん坊のサメ」というだけでも物語は十分に成立します。
もちろん「何故頭が二つなのか」の説明も、「突然変異」の一言以外はほぼありません。
どちらかと言えば、「二つ頭のサメ」という要素を無理やりにでも活かすために、登場人物を多くして常に複数で行動させていたように思えます。
船の修理などを手伝う現地人らしきハゲも二人組、おバカな学生がビーチでイチャイチャに誘うのも女子二人組、一斉に逃げる際にはぐれてしまうのも女子二人組。こうした多すぎる登場人物を、二つ頭のサメがまとめて片付けるというシーンが多いです。
メインで活躍するケイトとポール、そして筋肉野郎コール以外は名前を呼ばれる場面も少なく、「やかましい金髪パーマ」や「ピンク縞々ビキニ」などと認識をしているうちにサメに喰われて退場していきます。
一応「頭が二つあるから音や電気に敏感になっている」という説明が挿入され、ラストでは二つ頭ならではと思えるシーンもありますが、二つ頭という設定でなくても感覚器官の話は通用するので、やはり二つ頭のサメを登場させたかっただけなのだと思います。
テンポとストーリー構成はまずまず
そんな発想ありきな勢いだけの本作ですが、二つ頭で人間を食いまくるので、サメの出番は多めです。
頭だけでなく食欲まで2倍になったのかと思いたくなるほどサメが人を食い漁り、冒頭の水上スキーヤーを除けば本編に関係ないモブキャラの死亡シーンもないため、B級サメ映画の中ではテンポが良い作品に仕上がっています。
また、本作は「浸水する船と沈みゆくサンゴ島」という舞台装置を上手く使い、「陸にいる人間を海にいるサメにどうやって食べさせるか」という”人喰いサメ映画のジレンマ”を自然な形で解消しています。
もちろん、悪名高いアサイラムの作品なので、島が水没して逃げ場のない設定なのに後ろに陸地や岩場がはっきり映り込んでいるなど手抜きポイントは多いですが、安易にサメを陸上進出させがちなB級サメ映画業界において、本作のストーリー構成は一定の評価に値するでしょう。
その他見どころや豆知識
- 巨大なメガマウスザメに衝突したのにそのまま船を走らせ続けるパワープレイ。
- 水中でサメの攻撃を受けただけなのに、何故か船の上にあるアンテナも折れ曲がる。
- 船の傷を溶接する際にヘルメットをしていません。良い子は絶対に真似をしないように。
- 生徒を諦めて勝手にラブラブムードで自決する教師二人。教育者失格です。
- ガソリンで吹き飛ばされたサメの頭はサメから見て左側だったのに、ボートを追う時には右側に入れ替わっています。
- サメがボートのエンジンに噛みついただけで爆発。どういう理屈?
サメに関する解説
サメの造形
体格や尾鰭の形状からして、本作に登場するサメのモデルは定番のホホジロザメだったと思われます。
しかし、ホホジロザメの第一背鰭が幅広の三角形型であるのに対し、本作のダブルヘッドの第一背ビレはやけに鎌形になっていました。
恐らく、「特殊なサメだから背ビレも変な形にしておいた方がそれっぽいだろう」という考えのもとに作られたのだと思います。
なお、水中を泳ぐ映像や捕食シーンのほとんどが安っぽいCGで作成されており、俳優が水から顔を出して喰われる演技をするときに限り、醜悪な顔をした模型のようなもので撮影されていました。
サメの行動
物語の根本にかかわる部分ですが、二つ頭のサメがあそこまで巨大に成長し、素早く泳ぎ回って人間を襲うことはあり得ません。
二つ頭の奇形は複数種のサメで確認されており、双頭のホホジロザメが世界のどこかで発生する可能性はあります。
しかし、これまで確認された二つ頭のサメは全て妊娠した母胎や卵殻の中で見つかっており、自然界を元気に泳ぐ双頭のサメが確認されたことはありません。
これはあくまで推測ですが、サメが二つ頭になってしまうと「水の抵抗を受け流せなくなる」などのデメリットがあまりにも大きくなり、生まれてもすぐに死んでしまうか食べられてしまうのだと思います。
ドチザメやネコザメのような泳ぎ続けなくても息ができるサメならまだしも、ホホジロザメのように常に泳ぎ続けるサメでは、二つ頭で生き残るのはどう考えても無理です。
その他サメの解説
- メガマウスザメについてポールは「通常は深海に棲んでいる」と言っていますが、メガマウスザメは昼夜どちらも水深200mより浅い場所を泳いでいると示す研究があり、現状では深海が主な生息域ではない可能性があります。
- ケイトが過去のトラウマについて語るシーン、日本語字幕では単に「サメ」とされていますが、実際には「Blue shark(ヨシキリザメ)」と具体的な種名を述べています。
- サンゴ島が崩壊する前にメガマウスザメやダイオウイカの死骸が登場していますが、深海生物の出現と地震発生の因果関係は証明されていません。
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