邦題 | ブラック・デーモン 絶体絶命 |
原題 | Black Demon |
公開年 | 2023年 |
監督 | エイドリアン・グランバーグ |
出演 | ジョン・ミリオーレ/フェルナンダ・ウレホラ/フリオ・セサール・セディージ |
制作国 | アメリカ |
ランク | 準A級(世間的にはB級だが個人的にはお勧めしたい。) |
ストーリー | ★★★☆☆ |
演出や絵作り | ★★★☆☆ |
サメの造形 | ★★★☆☆ |
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あらすじ
石油会社に勤めるポールは、海底油田プラットフォームの検査と家族旅行を兼ねてメキシコを訪れる。
しかし、かつて活気のあった街は寂れており、現地人の間には不穏な空気が漂っていた。
街の変わり様が気になりつつもポールは油田に向かうが、伝説の超巨大ザメ”ブラックデーモン”の襲撃を受けてしまう。
サメによってボートは破壊されて通信も不能になり、家族と共に閉じ込められたポールたちは状況を打開しようとするが、プラットフォームには時限爆弾が仕掛けられていた。
果たしてポールたちはこの危機を脱することができるのか・・?
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
宗教的な雰囲気や環境啓発を含む異色のサメ映画
奇抜な作品が多く存在するサメ映画の中において、劇場公開されるような作品に出てくるサメは”普通のサメ”であることが多く、『ディープ・ブルー』などの一部例外を除き、特殊な能力や属性を持っていることは稀です。
しかし、本作のサメ、ブラック・デーモンはアステカの神トラロックの怒りの化身的なものとして登場します。
ボートをまるごと咥えて噛み砕けるほど巨大であることは「突然変異」や「メガロドン」などの理屈で説明できますが、本作のサメは物理攻撃だけでなく幻覚を見せることで惑わせるという精神攻撃まで行い、明らかにこの世のものではない異質な存在として描かれています。
主人公ポールの心情描写も、「最初はトラロックの怒りを迷信だと決めつけていたが、やがて犯した罪に向き合い、その責任を果たすべくサメに対峙する」という、超常的な存在を肯定する方向に進みます。
また、同じく巨大ザメが登場する『MEG ザ・モンスター』がサメをとにかく倒すべき怪物として描いているのに対し、本作のブラック・デーモンは「環境破壊に怒った神が遣わした悪魔」のように、畏怖と内省の心をもって向き合うべき存在とされているのも印象的です。
ブラック・デーモンという巨大ザメを環境破壊に対するしっぺ返しのメタファーと、会社の言いなりになってしまった会社員とその家族が危機に陥るという設定は「個々人が大きな悪意なく行ったことが重大な事態につながり、関係ない人々も巻き込む悲劇を生む」という環境問題の本質を突いているように思えます。
製作陣の真意は分かりませんが、サメ映画の中では非常にメッセージ性の強い作品と言えそうです。
巨大ザメを出した割にはインパクト不足
本作は日本でも劇場公開され、CGや演技、演出、カメラワークなどのクオリティはA級ですが、サメ映画として観た場合に面白いのかと言われれば正直なところ微妙です。
本作の最大の問題点は、メガロドンレベルの巨大ザメを登場させておきながら、その出番が少なくアクションも非常に控えめなことです。
ボートを豪快に噛み砕くシーンまでは良かったのですが、その後のブラック・デーモンは石油リグに体当たりをするばかりで、あまり目立った活躍がありません。
メインキャラクターが少ないソリッドシチュエーションスリラーなのでサメの出番が少ないことは仕方ないとはいえ、潜水ベルのシーンなど各登場シーンが良質な分、もったいない気がしてしまいます。
環境破壊に対する警鐘がテーマなので作風としては筋が通っているのですが、予告編などでは大暴れする巨大ザメが前面に押し出されているので、それを期待して視聴すると失望するでしょう。
作品の作り方はA級、環境啓発映画としてはまずまず、サメ映画としてはB級ということで、本作の評価は準A級としました。
サメに関する解説
サメの造形
体型、歯の形状、ヒレの大きさや位置関係などから判断して、サメ映画の定番であるホホジロザメをモデルにしていると思われます。
ただし、吻先が少し丸みを帯びて短めだったので、製作陣としてはメガロドンを意識したのかもしれません(メガロドンの正確な姿形は分かっていませんが、ホホジロザメよりも吻が短い顔だったという説があります)。
サメの行動
あれだけ石油が漏れ出ている海でサメが泳ぎ回った場合、エラの部分に油がこびりついて呼吸に支障をきたす恐れがあります。
ブラック・デーモンは神の化身や悪魔の類なので何かしらの対策をしているのでしょうが、普通のサメがあんな海にとどまるとは思えません。
その他サメの解説
ジビエや昆虫食などを提供する居酒屋でお馴染み米とサーカスさんが、本作『ブラック・デーモン 絶体絶命』とのタイアップメニューとしてサメ料理を期間限定で販売しました。
昆虫食の魅力を広めているムシモアゼルギリコさんの取材を受けて僕も食べに行ったのですが、シロザメの胎仔を丸ごと揚げた料理が一番印象的でした(ブラック・デーモンに絡めて胡椒味濃いめ)。
骨まで気にせず丸ごと食べられる料理で、「サメの骨格はほとんどが軟骨である」という事実を歯と舌で体感できる面白い調理法だと感じました。
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