邦題 | 生体兵器 アトミックジョーズ |
原題 | Blue Demon |
公開年 | 2004年 |
監督 | ダニエル・グロドニック |
出演 | ランダル・バティンコフ / ディディ・ファイファー / ダニー・ウッドバーン |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。) |
ストーリー | ★★☆☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ★☆☆☆☆ |
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あらすじ
政府管理下の海洋研究所にて、ネイサン・コリンズとその妻マーラは、遺伝子改造によって知能や適応能力を高められたホホジロザメ6尾の軍事利用を目的にした”青い悪魔”計画に取り組んでいた。
しかし、プロジェクト責任者のレモラ将軍を迎えたデモンストレーションの最中、実験ザメが脱走して人を襲ってしまう。
ネイサンは更なる被害拡大を危惧して沿岸警備隊に通報しようとするが、機密保持を優先するレモラ将軍によって不当に拘束。
マーラはネイサンを助け出してサメを止めようとするが、サメたちは湖やビーチで次々に人を襲い始め・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
コメディ色の強いアクション映画
低予算映画を量産したことで知られる製作会社UFO(Unified Film Organization)によるサメ映画です。
物語の構成としては、離婚手続きを進めている科学者夫婦が作り上げたサメたちが暴走し、理不尽な上司やエキセントリックな軍人に妨害されながらも事態終息のために立ち向かい、その過程で二人の関係を修復していくというものになっています。
『シャークネード』をはじめとする、いわゆるアサイラム系のB級の映画と比べれば真面目なトーンの作品ですが、全体的にコメディ色が強めです。
「指から抜けなくなった結婚指輪を抜くために使っていた石鹸を踏んで転んだ」というしょーもない理由でマーラがサメに喰われそうになることに始まり、”厳しい表情で葉巻をくわえる愛国者”というステレオタイプな軍人レモラ将軍が少し歩くだけで行進曲が流れる演出や、浮き輪を輪投げのように用いて将軍を捕まえるなど、ふざけた描写が散見されます。
ネイサンたちの上司が偉そうなわりに無能臭の漂う小人症の男であるという設定も、ポリコレ議論が盛んな昨今で許されるのか微妙な笑いを誘ってきます。
ストーリーの流れを見てみても、「予算削減のために電気柵の電源を切ったせいで女子学生がサメに殺された」という冒頭の大不祥事がしれっと流されて何事もなかったように進行する、テロリスト容疑で拘束されているはずのネイサンがガバガバ警備の中で平然と歩いて脱走するなど、おおよそシリアスとは言い難いです。
サメが核兵器を持つシーン以外の見所はない
そんな本作の問題点を挙げるとすれば、凝った設定の割にサメの活躍が乏しく、襲撃シーンの質が悪いことでしょう。
ストーリー自体はサメの存在や行動を起点に展開されますが、基本的にはサメの被害を食い止めようとしたり、レモラ将軍の馬鹿げた陰謀を止めようとするネイサン達にフォーカスが当たっており、6尾もいるサメの存在感が希薄です。
襲われるのもメンテナンス作業員、釣りの親子、サーファー女子などモブキャラばかりで、主人公たちがサメと直接的に対決するシーンはほとんどありません。
その捕食シーンも、サメの口がドアップで迫ってくるだけ、水から飛び上がるだけなどあっさりしたものが多いうえ、背鰭を出して泳ぐスピードがあまりにも遅いので迫力に欠けます。
「遺伝子工学で生み出された生体兵器」という設定も、サメに埋め込まれていたチップによってサメが退治される場面以外ではほとんど活かされず、その肝心な退治シーンも直接的には描写されないという有様で、モンスターパニック映画としての盛り上がりをあえて削っているのではないかとすら思えてきます。
唯一本作の見所をあげるとすれば、実験ザメのアルファ的存在”レッド・ドッグ”が小型核爆弾をくわえて泳ぐシーンでしょう。
邦題だけを見て視聴をしていると「映画のクオリティはともかく、どこが”アトミック”なんだ」とツッコミたくなりますが、最終局面になってようやく”アトミック”なサメが出てきます。
「サメそのものが核兵器みたいになる」という設定の『シン・ジョーズ』が作られる10年以上も前の作品であることを考えると、サメが核兵器をくわえて突っ込んでくるというアイディアは斬新でした。
「『シン・ジョーズ』の他にもサメが核爆発する映画を観たい!」という特殊過ぎる需要を持っている方であれば、本作はオススメできるかもしれません。
その他見どころや豆知識
- マーラがビーチで発した「ringing a dinner bell for sharks」というセリフは『ジョーズ』でマット・フーパーが市長に言ったセリフのオマージュです。
- サメに襲われる親子が釣り上げた魚が、どう見ても腐った魚の死体か出来の悪いオモチャです。
- 小型核爆弾をくわえたサメがレモラ将軍に突っ込むシーンについて、さも大した被害がなかったかのようにエンディングを迎えますが、放射能汚染はどうなったのでしょうか・・。
サメに関する解説
サメの造形
本作のサメはほとんどがCGで、水面から背鰭を出して泳ぐシーンでは模型と思しきものが使われていました。
CGはB級サメ映画の中でも低レベルな部類で、ツルツルした「ザ・CG」という見た目なのは言わずもがな、吻が短く妙に平たい頭をしており、出来の悪い剥製を基に再現したようなサメでした。
水面から出てくる背鰭も、発泡スチロールなどで作ったことが丸わかりで、不自然なほど厚みがありました。
サメの行動
淡水と思しき水域に現れたり爆弾をくわえたまま泳ぐなどの行動は「生体兵器だから」という理屈で正当化されるのでスルーするとして、本作のサメはとにかく動きが遅すぎるのが気になります。
ヒレだけ映るシーンのサメがどれもノロノロしており、「池を泳ぐ錦鯉の方がまだ早いのでは」と思わせるスピードです。
それを誤魔化すためなのか、襲われている人間は必死に泳ぐ演技をしているのに1mも進んでいない(そしてサメがそれに追いついていない)というシュールな映像になっていました。
2000年代当初の低予算映画では仕方がないと弁護することもできますが、それにも遅すぎると思いますし、CGのサメは結構なスピードで活発に泳ぐので、そのギャップも相まって実に滑稽です。
自ら食べられたいという性癖の人間でないと、本作のサメに喰われることはまずないでしょう。
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