前作が大不評だったためか、一作目には劣るものの割と楽しめる作品にはなっています。
邦題 | ディープ・ブルー3 |
原題 | Deep Blue Sea 3 |
公開年 | 2020年 |
監督 | ジョン・ボーグ |
出演 | タニア・レイモンド/ナサニエル・ブゾリック/エマーソン・ブルックス |
制作国 | アメリカ |
ランク | 準A級(世間的にはB級だが個人的にはお勧めしたい。) |
ストーリー | ★★★☆☆ |
演出や絵作り | ★★★☆☆ |
サメの造形 | ★★★☆☆ |
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あらすじ
海面上昇により沈みかけている人工の漁村島「リトル・ハッピー」。
父の跡を継いでサメの研究者になったエマ・コリンズとその仲間たちは、この島にある魚の繁殖地でホホジロザメの追跡調査を行っていた。
ある日、エマの元恋人である神経科学者リチャードが島を訪れ、あるオオメジロザメたちの捕獲に協力してほしいと申し出る。
人間を攻撃するこのサメたちについてリチャードは「気候変動の影響で攻撃性が上がっている」と説明するが、彼らは高度な知能をもって実験施設から逃げ出したサメ”ベラ”の子供たちだった・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
オリジナリティのある続編
前作『ディープ・ブルー2』については「1作目をパクってグレードダウンしただけ」として酷評してしまいましたが、本作『ディープ・ブルー3』は舞台設定や登場人物などにオリジナリティあふれる、まずまずの作品です。
自然の海で繰り広げられる実験ザメとの戦い、サメの捕獲を目論む男たちとの対立など、「閉鎖的な施設で知能の高いサメが~」というテンプレートから抜け出した、一味違ったサメ映画に仕上がっています。
また、本作では気候変動への言及が散りばめられ、実験ザメによって野生のサメが犠牲になるなど、環境問題や生態系保全というテーマが描かれていることも注目です。
一作目と比べてしまうとCGのクオリティやプロットの作りこみは劣るものの、一作目の劣化版でしかなかった二作目に比べると十分に楽しめる映画だと思います。
サメの出番はやや控えめ
二作目に比べると全体的なクオリティは改善されていると思いますが、サメが活躍する場面は全体的に控えめなのが難点です。
序盤からサメによる死人が出たりとテンポは悪くないのですが、食い千切られた死体が出てくるだけだったり、あっさりサメを捕獲したりするため、サメ映画として少し物足りなさを感じます。
また、後半でルーカス率いる屈強な男たちの暴走が始まってからは、サメたちが登場人物を退場させるための単なる舞台装置と化してしまった感が否めません。
冒頭で登場したホホジロザメ”サリー”も、悪役一人を嚙み殺す以外の活躍は大して見せず、『ジュラシック・ワールド』のモササウルス的なオチを期待していた僕からするとやや拍子抜けでした。
ちなみに、前作で強敵感を出しつつあまり活躍しなかったベラは、本作の冒頭であっさり網にかかって脳味噌だけにされてしまいます。最も厄介な敵のように描かれていたのに、ずいぶんとあっけない退場でした。
クライマックスの『ターミネーター』を思わせる一騎打ちに緊迫感があり、二作目のような消化不良感はありませんが、サメが人を食べまくる映画だと期待すると少しガッカリするかもしれません。
日本人女優をメインキャストに起用
本作で注目すべきポイントとしては、日本人女優である蒼れいなさんがメインキャストとして出演していることです。
欧米映画に登場する日本人は日本語に違和感があったり、英語が下手くそだったり、あるいはゴリゴリのステレオタイプ(眼鏡かけた黒髪サラリーマンか原宿に巣食う魔物みたいなファッション)というのが定番ですが、本作の蒼さん演じるミヤはどれにも当てはまっていませんでした。
流暢な英語で話しながら時に日本語で毒舌を挟んだり、最新システムでエマたちをサポートするなどの活躍を見せ、”生意気だけど優秀な日本人留学生”というキャラクターが良い感じに光っていたと思います。
サメに関する解説
サメの造形
今回のサメたちは前作『ディープ・ブルー2』とほとんど同じデザインで、一応オオメジロザメだと分かる見た目でした。
ただし、前作同様に歯の形が異なり、しかも本作のオオメジロは異様に目が大きく、ホホジロザメやアオザメにみられる全て黒目のような目になっていました(実際には眼球が小さく、黒目はやや猫目寄りの点です)。
なお、全長もオオメジロザメにしては大きくて太すぎるように思えますが、「成長スピードが異常に速い」という設定が本編中に述べられているので「そういうものだ」と納得するしかありません。
サメの行動
今回のサメたちは一作目の『ディープ・ブルー』同様に「知能が高くなった特殊なサメ」という設定があるため、細かいツッコミは無用でしょう。
実際のオオメジロザメは成魚のホホジロザメに徒党を組んで襲い掛かることはしないでしょうし、兄弟で仲睦まじい絆をはぐくむことも、銃や爆弾を武器だと認識することもありません。まさに映画だから許される設定です。
強いて気になる点を挙げるなら、「知能が高くなると母親を恋しく思ったり兄弟の絆が強くなる」という発想が、実に人間中心的だなと感じました。
サメ類は基本的に子育ては行わず、最初から小さなハンターとして生きていける赤ちゃんを産みます。
偶然一緒の海域にいることはあり得ますが、親子で共に行動することはありません。
人間が持つ「愛情」や「絆」と呼ばれる心理状態は社会生活が進化する中で獲得された繁殖戦略の一つ、あるいはその副産物でしかないと思いますが、全く異なる繁殖スタイルを持つサメが同じような心理を発達させるかは疑問です。
その他サメの解説や気になるところ
- 本筋に関係なく海の中を沢山のサメが泳いでいますが、ほんとどはカマストガリザメだと思われます。他にも冒頭の映像の中にイタチザメやシロワニが映っています。
- 冒頭でサリーと名付けられたホホジロザメがエマに近づく場面がありますが、恐らくホホジロザメはあのように中性浮力を保ったまま一時停止できないと思います(というより、ほとんどのサメができないので泳ぎ続けるか水底でじっとしています)。
- リチャードのラボの中に飾ってあるサメの顎のうち、壁に掛けてある大きな顎が恐らく上下逆です。
本作のシリーズ作品
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