映像面や演出のクオリティはA級だと思うのですが、「サメ映画としてストーリーを楽しめるか?」という点でマイナスになり、B級とさせていただきました。
邦題 | MAKO 沈没船に潜む死神 / Mako 死の沈没船 |
原題 | Mako |
公開年 | 2021年 |
監督 | モハメド・ヘシャム・エル・ラシディ |
出演 | バスマ/ニコラス・ムアワード/ナヒド・エル・セバイ |
制作国 | エジプト |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。) |
ストーリー | ★☆☆☆☆ |
演出や絵作り | ★★★★☆ |
サメの造形 | ★★★★☆ |
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あらすじ
ドキュメンタリー監督のラナ・バハガットは、長年の夢であった映像作品の授賞式にて、ひょんなことから大恥をかかされてしまう。
次回作で名誉挽回しようと躍起になる彼女は、新たに製作チームに加わったガラムの提案で、探索に向かったダイバーが正気を失うとされる沈没船セーラムエクスプレスの調査をすることに。
ガイドに連れられて沈没船に潜る一行だったが、潜って早々に巨大なアオザメに襲われてしまう。
命からがら沈没船内に逃げ込んだ製作メンバーたちは、サメへの恐怖で脱出できないまま、徐々に肉体的にも精神的にも蝕まれていく・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
サメがほとんど出てこない人間ドラマ
僕が知る限り初のエジプトサメ映画であり、エジプト国内での興行収入は上々だったと聞いていたので期待していたのですが、鑑賞後は「うーん・・・」と唸ってしまいました。
端的に言えば、「サメの出番がめちゃくちゃ少ない『海底47m』」という感じです。
まず、映像の作りこみや演出、カメラワークなどは非常によくできています。
また、沈没船内をメイン舞台にするサメ映画は珍しく、「沈没船のアイディアを急に提案するガラムにはどんな裏があるのか?」という続きが気になる展開も用意され、行き当たりばったりで作ったB級感は皆無でした。
しかし、肝心のサメの出番が非常に控えめです。
開始17分ほど経つまでサメが全く出てこず、撮影クルーの関係性を描く場面や本編と関係があるのかイマイチ謎な漁師のシーンが挿入されるだけ。やっとサメが出てきたと思ったら一瞬だけ映って終わってしまいます。
開始から44分ほど経った段階でやっとサメによる襲撃が発生するものの、その後もストーリーのほとんどは沈没船内でのトラブルや疑心暗鬼な精神状態で追い込まれていく撮影クルーの人間模様が中心で、サメの見せ場はほとんどありません。
タンクの空気残量が減っていく、崩れた扉に挟まれて動けなくなる、死への恐怖によって仲間を手にかけてしまうなど、スリラー映画として観れば緊迫感のある展開ですが、サメ映画としてはテンポが悪く退屈です。
しかも、散々意味ありげに描かれたガラムについては、「実は彼女自身がフェリー沈没の生存者だった」というオチが明かされてすぐにサメに喰われてしまい、やけにあっさりと退場してしまいます。
最終的には肝心の脱出劇の途中にで急に片腕を失ったラナの授賞式の映像が挿入され、「ラナは生還できたが他のメンバーは助からなかった」という結末を迎えます。
エンディングとしては斬新でしたし、「夢見ていた賞を受賞しても、その喜びを分かち合える仲間がいないと意味がない」という教訓じみた締めくくりを迎えたのは良かったのですが、作中通してサメの登場が少なすぎたので「最後くらいサメが大暴れする場面を前面に押し出せば良かったのでは・・・?」と思わずにいられませんでした。
ダイビングの映像やサメの再現度はかなり良く作られていたので、単なる駄作というより、もったいないという印象が強い作品でした。エジプトサメ映画の第二弾があるとすれば、終始サメが出ずっぱりになる作品を期待します。
その他見どころや豆知識
- 本作で登場した船セーラムエクスプレスは、実際に1991年に沈んだ同名フェリーがモデルになっています。
- 髭モジャ野郎が映画クルーを密告するような電話をかけていましたが、結局あの電話が何だったのかハッキリせず。
- エンディングムービーの中で出てくるサメのオブジェが個人的に好きです。
サメに関する解説
サメの造形
これまでのサメ映画史上、最も良く描かれたアオザメでした。
尖った吻先、ホホジロザメよりシャープな体つき、ドロンとした大きな黒目など、誰が見てもアオザメだと分かる描写で、シワや傷なども細かく再現されていました。
B級サメ映画にありがちな背景とミスマッチしたCGでもなく、『ディープ・ブルー』を含む全サメ映画の中で最良のクオリティだったと思います。
だからこそ、本作で登場頻度が少ないのは非常に残念でした。
強いて細かい指摘をするなら、アオザメは第一背ビレの先がほんの少し丸みを帯びているのですが、本作のアオザメの第一背ビレは尖っているように見えるシーンがありました。
サメの行動
本作のアオザメは水深30mほどの場所に沈んだ船の周りを周回し、まるで縄張りにしているように見えましたが、アオザメは沖の広い海を泳ぎ回る外洋性のサメで、水深が浅い場所に長期間とどまるのは非常に珍しいと思います。
また、本作では人間を見た途端に喰い殺していましたが、アオザメの歯は大型動物を切り裂くよりも小さな獲物を突き刺すのに適した形状をしており、海棲哺乳類よりもイカ類や小型・中型魚を襲うことが多いです。
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コメント
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