天然ガス採掘を目指す主人公たちと金の回収を目論むギャング、そして凶暴な人喰いザメという三つ巴のサメ映画です。
邦題 | レッド・ウォーター サメ地獄 |
原題 | Red Water |
公開年 | 2003年 |
監督 | チャールズ・ロバート・コーナー |
出演 | ルー・ダイアモンド・フィリップス/クーリオ/ロブ・ボルティン |
制作国 | アメリカ |
ランク | 準A級(世間的にはB級だが個人的にはお勧めしたい。) |
ストーリー | ★★★☆☆ |
演出や絵作り | ★★★☆☆ |
サメの造形 | ★★★☆☆ |
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あらすじ
アチャファラヤ川で貸しボート業を営むジョン・サンダースは銀行からの借金を返せず資金繰りに苦しんでいた。
そんな中、元妻で石油会社に勤務するケリーから天然ガスの採掘に協力するよう依頼される。
渋々協力するジョンだったが、採掘現場の近くの川では凶暴なオオメジロザメが人を喰い殺す事件が発生していた。
同じころ、裏切者が隠した金を取り戻すべく、ギャングの手下たちがアチャファラヤ川に集まっていた。
ジョンたちとギャングがひょんなことから衝突を起こす中、彼らの前にサメが現れ・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
サメが人を食いまくるギャング映画
サメVS人のモンスターパニックではなく、サメが登場するギャング映画として観ればまずまずの娯楽作品です。
水着美女がサメに襲われるという『ジョーズ』っぽい”お決まり”のシーンで始まり、その後もB級サメ映画にありがちな「本筋と関係ない捕食シーン」でサメ映画っぽさを出していますが、メインストーリーにおけるサメの見せ場はそこまで多くありません。
サメが主軸というより、「サメがいるせいで金を探せない」という設定や、登場人物を喰い殺して退場させる舞台装置の役割をサメが担っている感じです。
ただ、本筋に関係ないものを含めればサメの捕食シーンは多く、キャラが際立ったギャング3人との駆け引きやアクションシーンはなかなか見応えがあります。
また、何気なく映る銃、石油メーター、車、ドリルなどが後半のシーンで生かされるなど、テレビ映画にしては悪くない伏線の作りこみです。
さらに、石油や天然ガスという爆発物をふんだんに登場させつつ、サメ映画の伝統である爆発を使わずにサメを仕留めるというラストはオリジナリティがあり、個人的にはかなり新鮮でした。
サメの出番は若干控えめですが、ガス採掘・ギャング・サメという三要素を上手に絡めた良作サメ映画と言っていいでしょう。
水中映像が暗いのが難点
本筋のストーリー自体はそこまで悪くないのですが、重要な水中シーンが暗すぎるという大きなマイナスポイントを抱えています。
ポケモンのポリゴン事件があって以来「テレビを観るときは部屋を明るくして~」というのが推奨されていますが、本作の後半は部屋を暗くしないと楽しめないでしょう(でも良い子は真似しないでね)。
車をシャークケージのように使ってサメと対決したり、タンクに噛みついたサメから必死に逃げるなど、サメの見せ場としてはなかなか良いシーンなので余計に惜しいと感じます。
もともと川という設定で、しかもサメがメインで活躍する水中シーンは夜なので、リアリティを追求すればああなるのかもしれません。
とはいえ、映画作品では「暗闇の中でお互いの姿を認識する」や「宇宙空間なのに炎上爆発が起きる」などの無茶苦茶な現象は日常茶飯事なので、本作もリアリティより視聴者フレンドリーを優先して欲しかったです。
その他見どころや豆知識
- 本作の舞台アチャファラヤ川はルイジアナ州に実在する川です。後に作られるB級サメ映画『フライング・ジョーズ』でも同じ川が舞台として描かれ、さらに全く別のキャラクターとして本作のヒロイン役クリスティ・スワンソンが出演しています。
- ブレットがサメを片手に現れて強キャラ感を出していますが、持っているのはホシザメの仲間と思しき非常に大人しい種類です。カッコつけんな。
- アイスの頭から海草が生えたような髪型はどうやって作っているのか・・。
- 子供が乗った船をエンジンかけっぱなしにしてたまたま港に辿り着くのが奇跡過ぎる・・・。
- ケリーが初登場するシーンで色気たっぷりの音楽が流れるのは一体何の伏線だったのか(濡れ場があるのかと思いきや別にそんなこともなし・・)。
- エメリーの故郷に帰るシーンは何のために挿入されたのか本当に謎です。
- 水中に沈んでいる車が映るシーンにて、よく見るとナンバープレートが『ジョーズ』や『ディープ・ブルー』に出てくるのと同じ「ルイジアナ 007」です。
- サメを仕留めそこなった後「I’ll think of something(何か考えるさ)」と言ってにケリーの服を脱がせにかかるブレット。ただムラムラしただけかよ。
- サメに襲われてるのに「俺がサメだ」とか意味不明なこと言いながら金をかき集めるアイスのバカっぷりが最高です。
- せっかくサメを仕留めたのに「賞金いらないよね」みたいな雰囲気で歯を捨てていますが、ジョンの経済状況を考えると受け取っておいた方が良かったのでは・・・。
サメに関する解説
サメの造形
本作のサメは危険ザメNo.3として有名なオオメジロザメという設定で、CGとアニマトロ二クスを使い分けて描かれていました。
日本版のDVDジャケットに描かれているサメがどう見てもホホジロザメなことに当初不安を覚えましたが、丸みを帯びた短い吻、小さな目など、作中ではオオメジロザメと分かる特徴は再現されており、低予算のテレビ映画にしては一定のクオリティが保たれていました。
ただ、オオメジロザメにしては第二背鰭が大きく尾鰭上葉も長すぎるように見え、頭の横幅もやけに広いように思えます。
また、ラストでジョンたちが手に持っている歯が「メガロドンかよ」と突っ込みたくなるほどデカく、ポテトチップスみたいに薄っぺらいです。
サメのアニマトロ二クスは結構高クオリティに作っていたように見受けられるので、歯の造形ももう少し頑張ってほしかったです。
サメの行動
近頃はトンデモ設定のB級映画が多すぎるせいか「川にサメが現れる=トンデモ設定」と思っている人もいるようですが、本作に登場するオオメジロザメ淡水に対する適応力が非常に高く、現実世界でも川に現れます。
ただし、沖縄本島で僕が観察した経験や石垣島で行われた研究をもとに考えると、人を獲物として襲うような大型個体が川の上流まで来ることは稀だと思われます。
また、仮に大型個体が現れたとしても、本作のように人間ばかり狙って襲うことはありません。
本作のサメは合計6人食べているのですが、そのうち4人は1日の間に襲われています。ホホジロザメでもここまで喰わないだろうというとんでもない大食漢であり、明らかに食い過ぎです。
なお、、作中でエメリーが「They got one kind of shark that could survive in freshwater: Bull shark.(淡水で生きられるサメが一種類いる。オオメジロザメだ)」と言っていますが、淡水域に現れるサメはオオメジロザメだけではありません。
ガンジスメジロザメ属の仲間も淡水域に生息することが知られています。
ただし、ガンジスメジロザメ類は個体数が非常に少ない絶滅危惧種とされており、人を襲うどころか出会う機会さえまずないでしょう。
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