クライムアクション系のサメ映画ですが、同じヌー・イメージ社が作った『シャークアタック』に比べるとだいぶ中途半端です。
邦題 | ディープシャーク |
原題 | Shark Zone |
公開年 | 2003年 |
監督 | チャールズ・ロバート・コーナー |
出演 | ディーン・コックラン /アラン・オースティン/ブランディ・シャーウッド |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品) |
ストーリー | ★★☆☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ★★★☆☆ |
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あらすじ
舞台は米国サンフランシスコ。
スペイン王朝のダイヤモンドと共に沈んだとされる沈没船サンタクルス号に潜るダイビングツアーでガイドをしていたジミーは、ホホジロザメの群れに襲われて父親とツアー客を殺されてしまう。
時は流れ10年後。ライフセーバーになっていたジミーの前に実業家のボロコフが現れ、サマーフェスティバルへの協賛に対する見返りとして、サンタクルス号が沈んだ海域をガイドするよう依頼してくる。
ジミーはサメの危険性と過去のトラウマを理由に断るが、ビーチにホホジロザメが現れて人を襲い始め、ボロコフはダイヤ獲得のために強硬な手段を用いはじめる・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
“ジョーズテンプレ”にギャング要素をツッコんだ消化不良作品
先程のあらすじを読んで、「まとめ方が下手くそだな」と思ったかもしれませんが、それは僕のせいではなく、本当にこの作品にまとまりがないのが原因だと言いたいです。
前半は『ジョーズ』を踏襲した(パクった)お決まりのストーリー展開でサメが人を沢山襲うので、クオリティはともかく流れはスムーズです。
しかし、開始から半分を過ぎて始まる肝心のサメ退治は「安全地帯から爆弾を落とす」という緊迫感に欠けた展開なうえ、何匹かサメを吹き飛ばした後、サメを置いてけぼりにしてクライム・アクションが展開されます。
「ダイヤを狙う成金によって息子が人質にとられ、その息子を救うためにはサメが巣食う沈没船に潜らないといけない」という展開自体は良いのですが、その救出劇に流されるような形でサメのことがうやむやになり、「まだサメの群れが近海にいるかもしれない」という問題が解決されないまま幕引きを迎えます。
結局本作の本筋をまとめると、
- 市長が金のことしか考えずに海開きをして人が喰われ、
- サメにトラウマを持つ主人公が何匹かサメを殺し、
- 強欲なマフィアがサメに喰われて終わる。
という、一体全体何がしたかったのかよく分からない感じになります。
素材の寄せ集め感がすごい
本作『ディープ・シャーク』では、『シャークアタック』シリーズで使用されたシーンの使い回しが数多くみられ、3部作を全て見た後で本作を見ると既視感がすごいです(3部作の中にも使い回しがありましたが・・・)。
金のかかりそうなサメのシーンは多少目をつぶるとして、米国という舞台設定なのにメキシコの旗を付けたボート(『ディープ・ライジング コンクエスト』に登場)登場したりします。
他にも流れているBGMの一部が『シャークアタック』で使われているものと同じものだったり、『ディープ・ライジング コンクエスト』でサメが撃たれた時に使われた血しぶきのシーンが流用されるなど、もはや使い回し描写を見つけるクイズのように思えてきます。
また、ドキュメンタリー映像の使いまわしのせいで頻繁に画質が変わります。
サメについては仕方ないかと思いきや、沈没船やヘリの映像、嵐の海まで素材集と思しき映像でした。
冒頭でヘリから飛び降りるダイバーと着水するダイバーの姿が全然違っていたり(タンクを背負っていないダイバーが何度も映ります)、岸から離れた沖で襲われたはずの少年が歩いて水から上がっていたりと、素材だと丸わかりの手抜きポイントが満載です。
その他見どころや豆知識
- 明かに普通のレギュレーターを付けているようにしか見えないのですが、何故かみんな水中で話しています。アガマスクを用意する金すらなかったのでしょうか。
- 船に乗っているシーン、背景の空がやけにのっぺりして不自然です。さては動いていない船の上で背景合成したな。
- 「今海に人を入れるのはディナーベルを鳴らすようなものだ!」というセリフは、明らかに『ジョーズ』をオマージュしたものです。
- 爆弾で吹き飛ぶサメの残骸のシーン、よく見ると『オクトパス』のラストでタコが爆発する際のシーンが使われています。
- 夜のダイビングのシーンなのに上から光が降り注いでいて非常に明るいシーンになっています。視聴者へ配慮だと受け取っておきましょう。
サメに関する解説
サメの造形
本作『ディープ・シャーク』のサメ登場シーンはほとんどが実物のホホジロザメの映像が使われているので、サメの造形という部分だけ見ればある意味完璧だと思います。
ただし、そのほとんどがドキュメンタリー映像の使い回しであるため、この点をもって「本作のサメはリアリティがあります」と高評価する気にはなりません。
サメの行動
本作のサメ最大の問題点は、サメが終始吠え続けていることです。
ヌー・イメージ製作のサメ映画では”あるある”なのですが、本作のサメは終始吠えっぱなしで、口を開けるたびにライオンのような雄叫びを発します。
他作品のレビューなどでもよくお伝えしていますが、サメは吠えません。
勘違いのないようにお願いいたします。
その他サメの解説や気になるところ
本作では終始ジミーがサメに関する蘊蓄を披露していますが、ホホジロザメがジュラ紀からいると誤解させるような発言もあり、あまり褒められたものではありませんでした。
「サメを全滅させたのか?」という市長の質問に対し「分かりません、ホホジロザメの妊娠期間は不明ですから」とズレた回答をしているあたり、サメの知識に関係なくジミーは頭が悪いんだと思います。
また、サメ恐怖症のことを「elasmophobia」と表現していますが、僕が調べた限りそのような言葉はありません。
「elasmo」はエイを含む板鰓類を指す「elasmobranch」からきているはずなので、それならサメだけでなくエイも怖がることになります。
なお、実際にサメ恐怖症を指す単語として「Galeophobia」という言葉は存在するようです。
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