『シャーク・キラー』のネタバレあり感想&サメ解説【BGサメ映画レビュー】

サメ映画の仮面を被ったアクション映画です。「サメが人を食いまくる映画」と期待してしていると失望することになるので要注意です。

邦題シャーク・キラー
原題Shark Killer
公開年2015年
監督ケヴィン・オニール
出演デレック・テラー/エリカ・セラ/アーノルド・ヴォスルー
制作国カナダ/南アフリカ
ランクB級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。)
ストーリー★★☆☆☆
演出や絵作り★★☆☆☆
サメの造形★★☆☆☆

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目次

あらすじ

ハワイで気ままに暮らしていたシャークハンターのチェイス・ウォーカーは、南アフリカで裏ビジネスの実業家として成り上がった義兄ジェイクから、大粒ダイヤを飲み込んだホホジロザメ”ブラックフィン”を仕留めるよう依頼される。

ジェイクの弁護士ジャスミンと共にサメを追うチェイスだったが、一筋縄ではいかないブラックフィン。

さらに、ジェイクにダイヤを盗むよう命令した宝石コレクターの二クスが、ダイヤを回収して自分に持ってくるようチェイスに脅しをかける。

果たして、チェイスはブラックフィンを仕留められるのか?そして、大粒ダイヤは一体誰の手に・・・?

これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。

見どころ・ツッコミどころ

サメ映画として観るべきではない作品

世間的に「サメ映画」と呼ばれる作品の中には「果たしてこれは”サメ”映画なのか?」と呼びたくなるトンデモ作品が数多くありますが、本作『シャーク・キラー』は、そうした作品群とはまた違った意味でサメ映画と呼んでいいか微妙な映画です。

とにかく、サメがほとんど出てきません。

「サメの脅威は去りました」と市長が発表した後にサメが現れるという典型的なサメ映画の流れで始まるものの、中身は完全にコメディチックなアクション映画です。

一応ストーリーの要として「ダイヤを飲み込んだ巨大ザメ」が登場し、最後にはサメ映画らしく対決するのですが、ストーリーの大半はチェイスとジャスミンの恋模様、ダイヤやジャスミンのことでチェイスと対立するジェイク、チェイスたちとニクスの抗争で占められています。

なにより、サメが人を食うシーンが皆無です。

冒頭のサメも美女を襲う前にチェイスに仕留められますし、中盤で本筋に関係なく襲われる一般人とワンちゃんについても直接的な捕食描写はなし。何故サメの見せ場をあえてカットしたのか謎です。

ジェイクも思わせぶりなシーンを見せつつ結局生きているので、映像的には捕食シーンゼロという、サメ映画では異例の内容になっています。

作中にサメ以外の敵役として悪の組織や殺人鬼が登場する映画(僕は「クライムアクション系サメ映画」と呼んでいます)の中にはサメを蔑ろにするものが多いのですが、蔑ろにするまでもなくほとんど登場しないし人も食べないというのは、ある意味斬新かもしれません。

しかも、「サメに食われたダイヤモンドを取り戻す」という本作の要になっている課題が解決されるシーンも直接的な描写がなく、総じて消化不良感がすごいです。サメの腹から女性を救い出す『シャークネード』の方がスッキリできる気がします。

とはいえ、アクションシーンはそれなりに見応えがあり、数少ないサメの襲撃シーンもそこまで悪くないです。

また、人物模様にほとんどの尺を割いている分、登場人物の関係性やコミカルな掛け合いはしっかりと描かれており、根が真面目なチャラいタフガイ、それに惹かれていく勝気な美女、どこか憎めない子悪党、不気味な雰囲気のある大ボスという各キャラクターの色がしっかりと出ているなと感じました。

サメ映画を観たいという気持ちで見るとかなり期待外れですが、「午後のロードショー」を観る感覚で暇を潰したいアクション映画好きなら多少楽しめると思います。

その他見どころや豆知識

  • 本作の敵役ニクスを演じたのはアーノルド・ヴォスルー。『ハムナプトラ』シリーズで呪われし神官イムホテップを演じた俳優です。他の有名どころだと『G.I.ジョー』シリーズにザルタン役で出演しています。
  • 自分を強引に迎えに来た奴らをせっかくボコボコにしたのに、結局そいつらのボスのアジトに向かうチェイス。お前は一体何がしたいんだ。

サメに関する解説

サメの造形

ほとんどその姿を見せないにもかかわらず、ホホジロザメの造形はなかなか良く描かれていました。

安っぽさのあるCGなうえに動きが妙にブルンブルンしており、何故かお腹周りが丸っとしていて可愛らしいシルエットでしたが、間違いなくホホジロザメと分かる見た目で、顔つき等が非常にリアルでした。

B級サメ映画に登場するCGの中では、頭一つ抜けているクオリティと言っていいでしょう。

ホホジロザメが多く生息する南アフリカの資本が入っている分、サメのビジュアルには力を入れたのかもしれません(もしそうならもっとサメを活躍させて欲しかったのですが・・・)。

ただ、作中で「見たこともないデカいヒレを持つ」や「二つのくぼみがある」という特徴が紹介されますが、別に普通のホホジロザメに見えました。

背ビレの大きさも特別変わっているようには見えませんでしたし、そもそも二つのくぼみというのがどれを指しているのか謎です。

よく見るとワンちゃんの横を通り過ぎるサメの背ビレに二つ切れ込みのような跡があったので、あれがくぼみだったのかもしれませんが、描写として分かりづらいですし、こうした設定が本編で活かされることもありませんでした。

どうせなら顔に大きな傷があるとか、もっと分かりやすい特徴にすべきだったように思えます。

サメの行動

本作のサメは背ビレを水面から出す時は非常にゆっくりで、水中で泳ぐ時は猛スピードという、実に奇妙な動きをしていました。

ホホジロザメが本気のスピードで泳いだら水泳の金メダリストでも絶対に逃げきれない速度が出るので、ストーリー展開や演出の都合上サメがゆっくり泳ぐことはサメ映画の”あるある”なのですが、本作のサメは水中で泳ぐ時のスピードがサメ映画にしてはやけに速く現実味があったんので、その差が目立ってしまっていたように思えます。

また、本作のサメ「ブラックフィン(日本語字幕では黒ヒレ)」は難破船を何故か縄張りにしていましたが、広い海を速い速度で泳ぎ回るホホジロザメが狭く入り組んだ難破船の中を根城にすることないと思います(作中でも言及がありましたが、オットセイなど彼らの獲物が多くいる島周辺などにいることが多いです)。

その他サメに関する解説

  • 「寄ってきたのはほかの小さなサメだ」というチェイスのセリフ、日本字幕には反映されていませんが「Maybe Makos and Tigers(アオザメやイタチザメだろう)」とサメの種についても言及しています。ただし、水中のシーンで映っていたのはホホジロザメがモデルと思しきサメばかりでした・・・。

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