B級サメ映画の人気シリーズ第一弾!脊索動物門+軟体動物門という、ポケモンのオクタンもビックリの超融合を果たした怪物が暴れまわります。
邦題 | シャークトパス |
原題 | Sharktopus |
公開年 | 2010年 |
監督 | デクラン・オブライエン |
出演 | ケレム・バーシン /サラ・マラクル・レーン/エリック・ロバーツ |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品) |
ストーリー | ★★☆☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ★★★☆☆ |
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あらすじ
米国海軍の指揮下で生物兵器の開発を行っていたブルー・ウォーター社の研究者たちは、サメの頭とタコの足を持つ人工生物”S-11″の開発に成功する。
頭部に取り付けたレセプターによってS-11を管理していた研究者たちだったが、実験中のアクシデントで制御装置が外れてしまい、S-11は逃げ出してしまう。
責任者のネイサンとその娘で科学者でもあるニコールは、元社員で海に詳しいアンディ・フリンに協力を要請。S-11こと”シャークトパス”を追跡、捕獲を試みるが、凶暴性を発揮したシャークトパスは次々に人の命を奪っていく。
果たして彼らはシャークトパスの暴走を止めることができるのか・・・!?
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
シャークパスのアイディアやデザインは良い
サメとタコを合体させた生物兵器という時点でもうツッコミどころしかないのですが、シャークトパスの出来栄えについては割と高評価に値します。
まず、シャークトパスの登場の仕方が良かったですね。
水着女性がビーチで泳いでいるところをサメに襲われるという『ジョーズ』から続いてきた伝統芸から始まるかと思いきや・・というシャークトパスの出現は、サメ映画というジャンルへの愛と理解があってこその展開だと思います。
また、半分以上の捕食シーンが本筋に関係ないものとはいえ、
- 触手を使って海中に引きずり込む
- 水から出てタコ足で歩く
- 墨をはいてダイバーを攪乱する
- 自分に刺さった矢をタコ足を使って引っこ抜く
- 鉤爪を使って人間を切り裂く
など、サメ+タコという設定を活かした様々なムーブを見せてくれます。
CGのクオリティはともかく、タコという合体素材を生かしたギミックやアクションの数々は、後にシリーズ化されるのも納得の良質な仕上がりだったと言えるでしょう。
登場人物やストーリーは微妙
シャークトパスのデザインや活躍は良かったのですが、それ以外は色々と残念なクオリティでした。
まず、登場人物が全体的にパッとしません。
「金の亡者だが頼りになる助っ人」というアンディのポジションは、どう考えても『ジョーズ』のクイントや『ディープ・ブルー』のカーターのような風格やキャラクター性を持っているべきですが、ただ根が真面目なチャラ男として登場し、それ以下でも以上でもなく終わります。
ヒロインのニコールも、眼鏡を外して私服になった姿にギャップ萌えはあるものの、それ以外にそこまで魅力を感じません。
他の登場人物も際立ったキャラクター性がない紋切型で、各会話の中身も総じてひねりがなく、モブも含めて印象に残るような人がいませんでした。
さらに、場面転換の意味しかないリゾート地の映像と喰われるだけのモブキャラのシーンがいちいち助長で細々しており、映画全体のテンポが悪くなってしまっています。
開始から約10分でシャークトパスが暴走を始めるなど序盤がスムーズだったので、この点は惜しいですね。
ただし、ニコールの父親からの愛称「パンプキン」が最後に伏線回収される流れは綺麗でした。
なお、B級サメ映画なので、CGやカメラワークなどは大目に見るとしましょう。
明らかに背景と合っていないCGや、ただ室内で会話しているだけのシーンなのにカメラが前後左右に動いてしまっているのは、もう諦めるしかありません。
実はリメイクだったシャークトパス
今や『ダブルヘッド・ジョーズ』や『シャークネード』と並ぶトンデモサメ映画の代表格としてシリーズ化した本作『シャークトパス』ですが、実は本作には元ネタがあります。
1984年に作られた『死神ジョーズ 戦慄の血しぶき』またの名を『ジョーズ・アタック2』(原題は『Devil Fish』)という映画で、遺伝子操作で作られたサメとタコの融合モンスターが登場します。
この作品はトンデモ怪物映画の先駆け的存在で、サメ映画界隈だけでなく、モンパニ映画好きやB級映画愛好家の中でも有名なようです。
本作『シャークトパス』は、約30年の時を経て製作された『死神ジョーズ 戦慄の血しぶき』のリメイク作品になります。
ただし、『死神ジョーズ 戦慄の血しぶき』に登場する生物の頭はどう考えてもサメに見えず、恐らくダンクルオステウスをモデルにしたと思しき異形の怪物と化しています(ダンクルオステウスはサメではなく、板皮類という現生には生き残っていないグループの魚)。
そう考えると、ちゃんとサメとタコを融合させたのは『シャークトパス』が初めてと言ってもいいかもしれません。

その他見どころや豆知識
- 船の塗装を行っている男が触手で捕まるシーン、どう見ても自分から飛び降りたようにしか見えません。
- シャークトパスを追うジャーナリストのカメラマンが呪いを受けたのかと思うくらい入れ墨だらけなんですが、腕の部分をよく見ると「復活」という日本語が彫られています。
- ネイサンとニコールが電話で会話するシーンが何故か『24』のオマージュ。
- 一瞬で人を切り裂く怪物に襲われても足を怪我するだけで済むアンディ。主人公補正だけは一人前です。
- 「SSタイタニック号」という紙の船を川に浮かべる少年の名前がジャック。デカプリオもビックリです。
サメに関する解説
サメの造形
本作に登場するシャークトパスはサメとタコを融合させたという設定ですが、それぞれ種は何なのか明らかにされていません。
顔つきからしてサメのモデルはホホジロザメでしょうが、何故か背鰭が異様なほど鎌形になっていました。
タコのモデルは同定のヒントがなく完全に謎です。恐らく最大種であるミズダコを採用しているのでしょう。
また、シャークトパスはサメとタコという要素だけでは説明のつかない特徴や能力を兼ね備えていました。
タコ足の先端についた鉤爪は「生物兵器だから」という説明で納得できるとして、鰓孔から飛び出していたトゲは何なんでしょうね…。
なお、シャークトパスのお腹辺りをよく見ると、タコの口を思わせる穴のようなものがあります。
作中でこの口が活かされる場面は無かったですが、もしかするとサメの口とは別に、お腹にあるタコの口でも捕食できるのかも知れません。
サメの行動
シャークトパスの動きで気になったのは陸上での歩き方です。
「サメに足はないけどタコには足がある。だからタコと合体したサメは陸を歩ける」という考え方なんだと思いますが、タコには陸上で体を支えてくれる骨がありません。
実際に陸に上がったタコが動く様子を見ると分かる通り、シャークトパスのようにしっかりと体を支えて浮かすのではなく、「歩く」というより「這う」に近い動き方をします。
シャークトパスが映画のように歩くためには、普段は柔らかく、歩く時だけ骨のように固くなるという都合のいい骨組みのようなものが必要です。
なお、サメは骨格を持っていますが、彼らの骨格もほとんどが軟骨なので、仮にタコ足の中に骨が入っていてもあの巨体を支えるほどの強度はないでしょう(仮に入っていた場合、何かに巻き付くような動き方はできなくなるはずです)。
そもそも脊索動物と軟体動物という門レベルの分類を超えた融合自体があり得ない存在ですが、仮に実現できたとしても、映画とは少し違った存在になったと思います。
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