サメが花火になります。「何言ってるんだ?」と思うかもしれませんが、本当にサメが花火になる映画です。
邦題 | サマー・シャーク・アタック |
原題 | Summer Shark Attack / Ozark Sharks |
公開年 | 2021年 |
監督 | ミスティー・タリー |
出演 | デイブ・デイビス/アリソン・アシュリー・アーム/アシュトン・リー |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。) |
ストーリー | ★★★☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ★★☆☆☆ |
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あらすじ
ハリソンとモリ―の兄妹は、両親や祖母と共にオザーク高原の湖を訪れることに。
モリ―の彼氏であるカーティスも交え、花火大会間近のキャンプ地で一家はバカンスを楽しもうとしていた。
しかし、彼らが訪れた湖には獰猛なオオメジロザメが潜んでおり、川に入った祖母がサメに襲われてしまう。
何故か武器を大量に所持している小売店の男ジョーンズを助けを借りつつ、ハリソンたちは両親に警告しようとするが、サメによる犠牲者は増えていくばかり。このままでは湖で開催される花火大会の人々も襲われてしまう・・・。
果たしてハリソンたちはサメを食い止め、人々を救うことができるのか?
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
ギャグに振り切ったネタ映画
B級サメ映画は「何でそんなことになるのww」や「このCGショボ過ぎて草」というツッコミを入れながら視聴するのが醍醐味ですが、そういった意味では本作『サマー・シャーク・アタック』は満点かもしれません。
序盤は主要人物たちのダラダラした会話シーンに本筋に関係ないモブキャラが喰われる場面を挿入するB級サメ映画の典型で、その後も「人が集まっているところが襲われそうだからサメを倒さないと!」というお決まりの展開なのですが、この映画で重要な役割を果たすのが小売店の男ジョーンズです。
「虫除けスプレーある?」と聞かれていきなり銃を差し出してくるこのエキセントリックな男は、何故か自分の家の中に大量の武器を所持しており、ハリソンたちはこの武器を使ってサメと闘います。
「武器を大量に持っているオッサンなら『トレマーズ』にもいたし、そこまで珍しくない」と思うかもしれませんが、ジョーンズが持つ武器は、何故か車の屋根に設置された捕鯨砲、二又に分かれた日本刀、鉈を使った自作のトライデント(ポセイドンなどが持っている三叉の槍)、高圧電流を流せるオール状の物体など、常軌を逸したものばかりです。
挙句の果てに「銃身に入るものなら何でも撃てる」という漫画みたいな設定の大砲まで出てきます。
こうした意味不明な勢いに加え、サメのCGや死体などが全て安っぽいため、シリアスなはずの死亡シーンが全てネタっぽくなっています。
特に、モリーの彼氏カーティスの死亡シーンは傑作です。
捕鯨砲でサメを打ち抜き、そのまま粉砕機に突っ込んでグチャグチャにするという倒し方自体がもう無茶苦茶ですが、さらに排出口から飛んできた歯が刺さって死亡するという流れは、色々な意味でサメ映画でしか見られない光景です。
『シャークネード』シリーズのようにネタに走ったサメ映画が好きであれば、本作も気に入っていただけることでしょう。
サメが打ち上げ花火になる歴史的瞬間
本作最大の魅力はラストシーンです。
複数のオオメジロザメを倒して残り一匹まで追い込んだハリソンたち。死亡した彼氏カーティスの仇を打つべく、激昂したモリーは「銃身に入るものなら何でも発射できる」という例のチート武器を手に湖に向かいます。
そして、飛び掛かったサメの口に花火大会で使われる打ち上げ花火の玉を発射。サメは空高く舞い上がり、派手な火花と血肉をまき散らすサメ花火と化します。
サメ映画では元祖『ジョーズ』の慣例にならい、サメを爆発させるのが伝統芸能と化していますが、打ち上げ花火にした作品は本作だけであり(2023年4月現在)、これは一見の価値ありです。
本作はモブキャラの捕食シーンや全く必要性を感じない保安官とのやり取り、武器を持ってサメ退治に行った後もう一回武器を取りに行くジョーンズたちなど、尺稼ぎにしか思えない場面が多くてグダグダするのですが、打ち上げ花火に関しては冒頭のやり取りが最後の伏線として活かされるなど手が込んでおり、制作陣としても気持ちのこもったシーンであったことが伺えます。
ジョーンズやハリソンのセリフから「花火大会の影響でサメが凶暴化した」と推測できそうな場面もあるのですが、結局その辺も曖昧なままサメを打ち上げてエンディングを迎えるので、もはやサメを打ち上げたいがために作った映画なのかもしれません。
その他見どころや豆知識
- 自撮りした写真にデカデカとサメの背ビレが映っているのに自分の”映え”しか気にしない水着ギャル。
- 「もっと有効なことに時間を使え」と言いつつ、どう考えても有効なことに思えない一人トランプ遊びをする保安官。
- 突然陸に乗り上がった挙句、ただオッサンに殴られるだけの魚と化すサメ。少し可哀想。
- サメに対して「Son of a fish」という悪態。直訳すると「魚の息子」なので、もはや悪口になっていません。
サメに関する解説
サメの造形
本作に登場するサメはホホジロザメ、イタチザメに並ぶ危険ザメとして有名なオオメジロザメという設定ですが、各シーンによってサメの見た目がころころ変わります。
まず、人に襲いかかったり陸に乗り上げるシーンで登場するCG感丸出しのサメは、見た目が全然オオメジロザメではありません。
オオメジロザメは丸みを帯びた短い吻を持ち、全体的にかなりがっしりした体つきをしているのですが、本作に登場するCGは顔が細長く、明らかにオオメジロザメではないメジロザメ類の顔つきをしています。
次に、水中を泳ぐサメのシーンで模型と思しきショボいサメが泳ぐシーンについて。このサメも顔がやけに平たく、歯の形もオオメジロザメのそれとは異なっていました。
さらに、本作では随所に本物のサメが泳ぐ映像が映ります。一部オオメジロザメと思しきサメも映りますが、そうではないメジロザメの映像も混じっていました。
オオメジロザメはがっしりした体つきに対して眼が小さいのですが、本作で複数回映るサメは目が大きくクリクリしており、別の種類のメジロザメ類だと思われます。
なお、これら本物のサメの映像は川の中に見えるよう加工されていましたが、明らかに海中で撮影されたものです。よく見ると、一部の映像にコモリザメの仲間と思しき他のサメが映ってしまっています。
サメの行動
本作に登場するオオメジロザメは、作中で言及されていた通り淡水域に入ってくることが知られています。
ミシシッピ川やザンベジ川、ニカラグア湖などで記録があり、日本でも沖縄本島や石垣島で確認されています。
ただし、淡水域で確認されるのは未成熟の小さなサメが多く、外敵の少ない場所を子供の成育場所として利用していると思われます。
その他サメの解説
- モリ―が電気の武器でサメを仕留めるシーンにて、サメが謎の咆哮を上げて息絶えていますが、サメは吠えません。
- カーティスにサメの歯が飛んでくるシーン、体に刺さっている歯の大きさが最大級のホホジロザメくらいデカいです。
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