邦題 | ジョーズ ザ・ファイナル |
原題 | The Reef: Stalked |
公開年 | 2022年 |
監督 | アンドリュー・トラウキ |
出演 | テレッサ・リアン/アン・トルーオン/サスキア・アーチャー |
制作国 | オーストラリア |
ランク | 準A級(世間的にはB級だが個人的にはお勧めしたい。) |
ストーリー | ★★★☆☆ |
演出や絵作り | ★★★☆☆ |
サメの造形 | ★★★★☆ |
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あらすじ
姉キャスの殺害現場を目撃したトラウマから逃れるため国外に旅立っていたニックは、9カ月ぶりに親友のジョディとリサ、妹のアニーと再会する。
四人はキャスの追悼も兼ねて、彼女が行きたがっていた離島までカヤックで向かい、シュノーケルやスピアフィッシングを楽しむことに。
しかし、島を目前にした彼女たちの前に巨大なホホジロザメが出現。リサが襲われ、島で泳いでいた少女も深い傷を負ってしまう。
ニック達は少女の命を救うべく、危険を承知で隣の島まで助けを呼びに行くが・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
上質な演出とサメの再現
邦題自体はB級映画にありがちなものですが、隠れた名作である『赤い珊瑚礁オープン・ウォーター』の続編として製作されました。
とは言っても、ストーリー上のつながりはなく、実話がベースの前作と違って、本作は完全フィクションとなっています。
前作のレビューでは「前半は若干テンポ悪いけど後半の捕食シーンが良い」という紹介をしたのですが、本作もほぼ同じ印象で、良くも悪くもトラウキ監督らしい作品だと感じました。
冒頭は海で泳ぐシーン以外サメ映画感がなく、恋人らしき男性に姉が殺されるというサスペンス映画みたいな展開になるので「おいおい、どこに向かうつもりだ・・」と若干不安になりました。
しかし、カヤックが出発して海上のシーンになってからは良い意味でサメ映画らしくなり、水面と水平な視点の映像、水中を見渡す人物視点の映像、わずかに映る背ビレなどで効果的にドキドキ感を煽ってきます。
落としたオールを拾った直後に薄っすらと海の中にホホジロザメの顔が見える瞬間、そしてその直後に突然襲ってくる恐怖展開はたまらないです。
さらに、前作と同じく本物のホホジロザメの映像が使われており、本当に人やカヤックを襲っているようなシーンに仕上がっています。
「人と一緒に写る時だけ安っぽいCGや模型になる」というB級映画のような落ち度もほとんどなく、徹底的にこだわられたサメのビジュアルはA級サメ映画に勝るとも劣りません。
前作よりドラマチック
前作『赤い珊瑚礁オープン・ウォーター』では、男女のロマンスっぽいものを小出しにしつつも「大海原のど真ん中で巨大ザメに襲われる」という恐怖がひたすらに描かれていました。
対する本作は、姉を殺されるという辛い現実から逃げ出したニックがサメに襲われる中でトラウマを克服していくという人間ドラマが用意されています。
「姉を殺害される」というドロッとしたうえに海もサメも関係ない要素にする必要はあったのか若干疑問ですが、一応サメとの闘いの中にニックの心情変化が組み込まれており、無駄な会話シーンでグダグダしているという感じもありませんでした。
また、為すすべなくサメに襲われるだけだった前作に比べ、怪我をした少女を救うためにサメのいる海を渡ったり、ボートにある道具でサメと闘ったりと、映画らしい展開が多くなっています。
うがった見方をすれば「前作よりもストーリー面でリアリティに欠ける」と言えそうですが、先述の通りサメのリアリティなどの良さは失われておらず、前作が好きだった方なら、恐らく本作も楽しんでいただけると思います。
その他見どころや豆知識
- 英語のオーストラリア訛りが強い。
- 魚をエサにしてサメをフックにかけるシーン、恐らく延縄の要領でサメを捕まえるつもりだったのでしょうが、何故うまくいくと思ったのか謎。
- サメを捕まえるのに使ったカヤックが水中を漂うシーンが『ジョーズ』の樽っぽくて好きです。
サメに関する解説
サメの造形
基本的には全て本物のホホジロザメの映像が使用されていました。
一部の映像で海の色が変わっていたので、もしかしたらドキュメンタリー映像も使っていたのかもしれませんが、作中に馴染む形で使用されており、本当にサメが人を襲っていると思わせるような自然な仕上がりでした。
サメが背ビレだけ出して泳ぐシーンは恐らく模型かロボットが使用されていると思われます。
背ビレの先がホホジロザメにしては丸みを帯びているのが気になりましたが、そこまで悪くはありません。
ただし、アニーがバケツで水を捨てるシーンで向かってくるサメが、何故か安っぽいCGになっており、ここは減点ポイントです。
サメの行動
人間ばかりつけ狙うというサメ映画にありがちな設定でしたが、それ以外はよくできていました。
サメ映画のサメは終始背ビレを水面から出しながらゆっくりと向かってくることが多いのですが、本作のサメは突然大口を開けて噛みついて来たり、背鰭が見えた頃にはすぐそこに迫っているという場面が多く、より本来のサメの捕食行動に近いと感じました。
また、作中でサメが背ビレを水面から出すシーンの一部で、背鰭の後ろ側に一瞬尾鰭の先が見えたり、尾鰭が水面を切った時の波が見えます。
普通のサメ映画であれば背ビレだけでサメの存在を示すことが多いですが、サメは尾ビレが縦に伸びており、ホホジロザメはその中でも尾鰭上葉が縦に長いため、背ビレが水面から出る時は尾ビレの先も水面から出ることが多いです。
本作では部分的にそれが再現されており、この辺りも評価できるポイントですね。
ただし、サメの動きを網で封じるシーンについて、ホホジロザメの歯であればあの程度の網はすぐに切れるはずなので、本来であればアニーは八つ裂きにされていたと思います・・・。
その他サメの解説
サメのことを「the man in the grey suit」と表現するのは初めて知りました。
サメ映画ではサメについていい加減な知識を披露することも多いのですが、調べてみるとサーファーの間で実際に使われる表現であり、ドキュメンタリー作品の題名にも使われていました。
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