先日、危険なサメランキングTOP5を紹介したのですが、今回はあえて真逆のランキングをご用意しました!
題して、可愛すぎるサメランキングTOP5!!
僕を含めたサメ好きや専門家の方は「ジョーズは誇張されたイメージである」や「サメには多様な仲間がいる」などの発信を日々していますが、恐らく世の中の8割以上の人の中ではサメ=人喰いマシーンだと思います。
今回はそうしたイメージを壊してくれる、キュートかつ面白いサメたちを5種紹介していきます!
解説動画:人喰いザメのイメージを破壊してくれる可愛いサメランキングTOP5
このブログの内容は以下の動画でも解説しています!
※動画公開日は2022年7月20日です。
ランキング選定基準
今回のランキングは基本的に僕の独断と偏見に基づいていますが、僕にとっては全てのサメが可愛いです。
また、「あの子がいない、この子も入れろ」って後から言われたくないので、一応以下の基準を設けました。
ランキング選定基準
- 標準的なサイズが全長2m以下である。
- 日本近海に生息、または日本の水族館で会うことが出来る。
- サメ社会学者Rickyが何かしらの形で実物を見たことがある
この基準に当てはまる中で、僕なりに可愛いと思う子達をランキングにしています。
第5位:ネコザメ

まず最初にご紹介するのはネコザメです。水族館で一度は見たことある人も多いと思います。
一番よく見るのは茶色と焦げ茶色の縞模様をしたネコザメ(Heterodontus japonicus)だと思いますが、実はネコザメにも複数の仲間がいます(2022年7月現在は9種)。
そんなネコザメ類ですが、どの種も共通してポケッ~としたなんとも言えない顔をしています。

ネコザメの由来は、目の上の出っ張りが猫の耳っぽい説と、模様がネコっぽい説があるんですが、顔を見る限りはブタザメですよね。
ちょっと鼻の孔に指突っ込んでみたくなります(絶対にやってはいけません)。
この愛嬌たっぷりの丸っこい頭がチャームポイントのネコザメは、可愛いだけでなく、ドリルのような形の卵を産むという面白い生態も持っています。
種によって違いはありますが、共通してねじれたような形状をしており、岩の隙間などに固定して、卵が流されないようにする役割があります。

ネコザメは可愛いと言ってくれる人が多いので順位を迷いましたが、成長すると頭がすごく大きくなって岩石のお化けのような厳つい見た目になります。
全長も大きいと1mを超えてくるので、これから紹介するサメ達に比べると可愛さに劣るかなと思い、5位にしてみました。
第4位:イヌザメ

ネコがいればイヌもいるということで、4位はイヌザメです。
イヌザメは、テンジクザメ目というグループに分類されています。
テンジクザメという名前が初耳の方も多いと思いますが、ジンベエザメやトラフザメなどと同じグループです。
イヌザメを含むテンジクザメ目の仲間は、ネコザメ同様に口が顔の前の方にあり、その顔には何とも言えない可愛さがあります。

イヌザメの面白い特徴としては、幼魚と成魚で模様が異なるということです。
イヌザメは生まれた当初は白と黒の縞模様になっていますが、成長するにつれてこの模様が徐々に淡くなっていき、成熟する頃にはほとんど見えなくなります。
成魚も十分に可愛いのですが、幼魚のおしゃれなツートンカラーとパタパタ泳ぐ小さな姿は愛らしいです。


ちなみに、イヌザメは飼育下でも長生きして繁殖も比較的容易なので、水族館でもよく展示されています。
ただし、可愛いといっても最大150㎝近くになるので、もし一般家庭で飼う場合は、それなりの設備と資金を準備して、絶対最後まで適正飼育する覚悟を持って飼育しましょう。
第3位:ツラナガコビトザメ

「ザ・可愛い」という見た目ではありませんが、サイズ感が可愛いという点で3位にさせていただきました。
サメと言えば、危険・凶暴・人食い以外に、デカい生物というイメージもあると思います。実際、世界最大の魚類はサメの仲間であるジンベエザメです。
しかし、このツラナガコビトザメは小人という名前の通り、非常に小さいサメです。
最大でも30㎝以下とされ、諸説ありますが、「世界最小のサメ」として紹介されることも多いです。

この可愛らしいサイズのサメに会いたと思った人もいるかもしれませんが、ツラナガコビトザメはいわゆる深海ザメで、長期飼育に成功した事例はこれまでありません。
傷つかない状態で生け捕りにすること自体難しく、非常に低い水温かつ光刺激を与えない環境を用意するなど、様々な課題があると思われます。
母体に対して非常に大きな赤ちゃんを産むことや、体に発光器を持っているなど、サイズ以外にもいろいろと面白いことが多いサメなので、ぜひいつか元気に泳ぐ姿を間近で観察したいですね。
第2位:トラザメ

日本語名はトラザメですが、英語でトラザメの仲間はCat sharkと呼ばれます。確かに目のあたりがネコザメよりネコっぽいですよね。
実際、一部地方ではトラザメのことをネコザメと呼ぶそうです(紛らわしい)。
トラザメは、メジロザメ目というグループに分類されるサメです。
メジロザメ目にはオオメジロザメ、ヨシキリザメ、イタチザメなど、危険な大型種や「ザ・サメ」という見た目の仲間も多いですが、トラザメは大きくても50㎝程度。深海を含む水温が低めの場所を好み、底の方でジッとしていることも多い、非常に大人しいサメです。
トラザメは、成長してもネコザメやイヌザメより小さいので、ずっと可愛い姿を見ていられる感じが愛らしいですね。
なお、トラザメは卵生のサメなので母体ではなく卵殻の中で赤ちゃんが成長しますが、この卵や赤ちゃんもチビっちゃくてめちゃくちゃ可愛いです。


飼育下でも繁殖しやすく、水族館で卵や赤ちゃんを展示していることも多いので、ぜひこの可愛い姿を目に焼き付けて欲しいです。
第1位:マモンツキテンジクザメ

顔つき・模様・動き方という3要素を考えた時、この子をトップに置かざるを得ませんでした!
マモンツキテンジクザメは、イヌザメと同じくテンジクザメ目に分類されるサメで、全長は50~60㎝、大きくても1m程度のサメです。
テンジクザメ特有のちょぼんとした可愛いらしく、名前の由来にもなっている紋付模様もチャームポイントです。この模様は、大きな動物の目に見せかける威嚇の役割があるとされています。
ぱっと見の姿はおしゃれな模様のイヌザメという感じですが、マモンツキテンジクザメ最大の魅力はその動きになります。
なんと、このマモンツキテンジクザメとその仲間たちは、世界でも珍しい歩くサメなんです。
多くのサメは胸鰭を多少動かすことはできても、可動域は非常に限定的で、それで体を支えたりすることはできません。
しかし、マモンツキテンジクザメの仲間たちは、胸ビレの骨が特殊な構造をして筋肉も発達しているため、それぞれのヒレを足のように使って歩くことが出来ます。

このため、マモンツキテンジクザメの仲間は「Walking shark」とも呼ばれます。
そして左右のヒレを交互に動かして歩く姿が尋常じゃないほどに愛らしく、その柔軟性とヒレを活かして変なポーズで岩やサンゴの上に乗っている姿はもはや尊いです。








残念ながらこの天使のように可愛いサメは日本近海には生息していませんが、複数の水族館で飼育されているので、少しでも魅力を感じたという方はぜひ見に行っていただきたいです!
以上が、可愛すぎるサメランキングTOP5でした!
この5種を見ただけでも、サメには多様な仲間がいるというのがご理解いただけたと思います。
デカい・怖い・カッコいいの三拍子そろったサメも魅力的ですが、そうではないサメたちがいることもこれを機に覚えていただけると幸いです。
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