おはヨシキリザメ!サメ社会学者Rickyです!
今回はコアなファンも多く、沢山の人の注目を集めるあのサメ、シュモクザメについて解説をしていきます!
「ハンマーヘッドがカッコいい!」、「宇宙人みたいでヘンテコ」、「掃除機みたい」など色々言われるサメですが、ハンマーヘッドのインパクトが強く「変なサメ」という感想で止まってしまう人も多いです。
そこで今回とそれに続く記事では、
- シュモクザメにはどんな種類がいるのか?
- ハンマーヘッドにはどんな役割があるのか?
- シュモクザメは危険なサメなのか?
などを素人の方にも分かりやすく紹介していきますので、よろしくお願いします!
解説動画:シュモクザメとは何者なのか?ハンマーヘッドの役割やその危険性、謎に満ちた生態を分かりやすく解説!
このブログの内容は以下の動画でも解説しています!
※動画公開日は2021年6月12日です。
シュモクザメという名前の由来
シュモクザメという名前を聞いて、「そもそもシュモクって何?」という方も多いと思います。
シュモクは漢字で「撞木」と書き、仏教で使う鐘を叩く道具を指します。
見た通りこの撞木に似ているからシュモクザメと呼ばれるのですが、名前の由来が仏具というのは、なんだか由緒正しい古き良きサメって感じがしますね。
英語でも似たようなネーミングで、ハンマーみたいな頭だから「hammerhead shark」と呼ばれます。
ちなみに、学術的な議論の中でこのハンマー頭のことを「cephalofoil」と呼ぶことがあります。論文や海外の図鑑を読むという方はぜひ覚えておいてください。
シュモクザメの頭の構造
そんなシュモクザメの頭を実際に見てみるとこんな感じです。
顔が左右に伸びていて、確かにハンマー型です。その左右の迫り出した部分の端に目と鼻孔がついています。
ちなみに、ハンマーヘッドを骨にするとこんな感じです。
ちゃんとハンマーの内部にも骨が入っているので迫力がありますね。
ただ、頭の幅が広いので大きく見えますが、アゴ自体は割と小さいです。
ハンマーだけじゃないシュモクザメの仲間たち
シュモクザメの話をする時、「シュモクザメの仲間〜」や「ハンマーヘッドシャーク」という名称でまとめられがちですが、実は「シュモクザメ」と呼ばれるサメには2属9種の仲間が知られています(2022年6月現在)。
分類学上はどれもシュモクザメの仲間ですが、頭がハンマー型ではないサメも混じっているのが分かると思います。
「ハンマー」というよりホタテみたいなシルエットになっているウチワシュモクザメ(Sphyrna tiburo)や、ハンマーを超えて常軌を逸した長さになっているインドシュモクザメ(Eusphyra blochii)など、意外に多様な仲間がいて面白いです。
このうち日本に生息しているのはアカシュモクザメ、シロシュモクザメ、ヒラシュモクザメの3種だとされています。
ヒラシュモクザメは一応記録があるらしいですが、実際に日本近海で漁獲されたという話は聞いたことないです。
ちなみに、水族館でもシュモクザメを展示していることがありますが、ほとんどがアカシュモクザメです。
シュモクザメらしいハンマー型の頭の真ん中、およびその左右に凹みがあり、凹みの部分で分けるとちょうど四等分くらいになるのが特徴です(シロシュモクは三頭分になります)。
なお、標準和名の「アカ」や「シロ」は体表面の色ではなくてお肉の色を指しています。あくまで感覚値ですが、確かにアカシュモクの方が血の気が多く、シロシュモクの方が白身という感じはします。
では、そんなシュモクザメの仲間は、一体どうしてこんな頭の形をしているのでしょうか?
その理由についても次回の記事で解説させていただきます!
参考文献
- David A. Ebert, Marc Dando, and Sarah Fowler 『Sharks of the World a Complete Guide』2021年
- 仲谷一宏『サメ ー海の王者たちー 改訂版』2016年
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